どうしてアイドルたちは恋愛が禁止なの?

 若くて可愛い子が恋愛せずに歌や踊りを頑張っているなんていう幻想を若い男たちに抱かせるのは本当に危険だと思うんです。だって、無理でしょ!

 しかも、どうして日本では、アイドルが恋愛すると人気が落ちるのか? ギモンです。テイラー・スウィフトにしてもワン・ダイレクションにしても、自分たちの恋愛をInstagramなどで切り売りして人気を得ているのに、どうして日本のアイドルたちのInstagramには、彼氏や彼女との写真が載らないのか? 妙齢の女性アイドルに恋愛がタブーなんていうのは、ゆるしていいものなのでしょうか。

 「彼氏いないんですぅ〜」 と、とりあえず言っておけばいいという日本の社会に、私は喝を入れたいのです。

 そういえば、ちょっと前に話題になったHKTの新曲「アインシュタインよりもディアナ・アグロン」。あの歌詞には驚きました。

 まあ、“おっさん”の本音として、「物理学に夢中になるような理屈っぽさよりも、ディアナ・アグロンみたいな馬鹿っぽい可愛らしさのほうが重要だよ、生き抜くためには」という、ありがた~いご神託ということなんでしょうけど。今はね、いろいろ違うんです!

 そもそも、たぶんその女性観の下敷きになったディアナ・アグロンの出世作、gleeのディアナ・アグロンの役であるクインは、

ハイスクールの花形チアリーダー→アメフト部のワルの子を妊娠→アメフト部のスター選手とジャグジーに入ってそれで妊娠と父親を偽装→簡単にバレ、チアリーダー部から放逐→産む→養子に出す→可愛くて奪おうとする→諦める→友達の彼氏に横恋慕→奪ったり奪い返されたり→その彼、ライバルと婚約→パーティーに行く途中で事故→半身不随→車いす→リハビリ→歩けるようになる→成績はなにげにオールA→エール大学演劇科進学→ニューヨークへ

という、波乱万丈の役どころ。もう「可愛くてニコニコしてたら、その恩恵をいっぱい受けました!」とは全く違う、「可愛いのに、なぜか苦労するけど、勉強は実はしっかりやっていて未来は自分で切り拓く」、とんでもない女子なのだ。

 そこを理解しての、秋元氏の「アインシュタインよりもディアナ・アグロン」なら、よしとしたい。きっと、アインシュタイン(知性)と、ディアナ・アグロン(愛嬌)。この2つの、どちらもあっての女子だよという応援ソングなんですよね?