リラックスしたくてもできない…悩む声多数

 睡眠負債を抱えている人は、上手にリラックスできているのでしょうか。【リラックスしようとしてもできない(気が休まらない)】という問いには「非常に当てはまる」、「やや当てはまる」と答えた人が58.9%となり、半数以上がリラックスしようとしてもできない、過緊張の状態にあることが分かりました。過緊張のために睡眠が不足し、疲労の回復ができないという悪循環にあるわけですが、この状況が続くと身体的な不調を引き起こす危険があるといわれているので、うまく解消したいところです。

働く女性の2人に1人が「疲れやすい体質になった」と回答

 疲れがたまったとき、自覚症状として表れやすい不調はどういうものが多いのでしょうか。日ごろ感じている不調についての質問で、最も多かった回答は「疲れやすい体質になった(すぐに疲れる)」、次いで「体力が衰えた(ちょっとした運動でへとへとになる)」となりました。疲れが軽いうちにしっかり解消できず、ため込んでしまうと、以前より疲れやすくなった、体力が衰えたと感じている人が多いようです。その他にも、「肩凝りがひどい」、「ぐっすり眠れない」といった症状も多く見受けられました。

 男女別では、女性の半数が「疲れやすい体質になった(すぐに疲れる)」と回答し、男性よりも高い割合となっています。さらに「肩凝りがひどい」、「疲れが肌に出る」という不調については、男性よりも女性が多くなっており、健康面だけでなく、肌荒れなど、美容の面からも多くの女性が悩んでいることが分かります。

効果実感! 疲れをためないセルフケア

 では、たまってしまった疲れはどのようにケアしているのでしょうか。回答の多かった順に「十分な睡眠を取る」、「適度な運動をする」、「バランスの取れた食事を取る」、「楽しめる趣味を持つ」、「くよくよしない(前向きに考える)」などの方法が挙げられました。疲れを感じたときにぐっすり眠る必要性は、多くの人が感じることだと思います。また、健康的な体をつくり、維持するために、運動や食事などに意識を向けることも重要です。そういったフィジカルのケアだけでなく、夢中になれる趣味があることは、とてもいいリフレッシュになりますし、一気に疲れもストレスも吹き飛んでしまいそうです。

 疲れを感じたときに、実際に行ったケア方法のうち「十分な睡眠を取る」ことが効果的だったと答えた人が一番多く、次に「適度な運動をする」、3番目に多かった回答が「ぬるめのお風呂に漬かる」でした。お気に入りの香りの入浴剤を入れて、ゆったりとぬるめのお風呂に漬かって、身も心もリラックスすることを実践している人も多いのではないでしょうか。また、「楽しめる趣味を持つ」ことが効果的だったという回答が、「ぬるめのお風呂に漬かる」の次に多い結果となり、好きなことを心から楽しむことで良質なリフレッシュになることがうかがえます。疲れを感じたときに「甘いものを口にする(アメやグミ、チョコなど)」ことは、誰もがその即効性を感じたことがあると思いますが、それに対して、「バランスの取れた食事を取る」ことは、実践しても疲れに対して即効性があるわけではなく、長期的に考えて「疲れにくい体づくり」に必要なものだということが分かります。

 都内で勤務するビジネスパーソンは、多くの人が疲れたと感じており、その中でも女性は疲れやすく、慢性的な疲労を抱えていることが調査により分かりました。毎日の通勤や仕事、生活を送る上で少しずつたまっていく疲労は、酷暑や室内外の気温差などでもさらに蓄積します。なかなか時間を取るのは難しいかもしれませんが、睡眠や入浴、さらには没頭できる趣味などで上手なリフレッシュを心掛けたいものですね。

睡眠をしっかり取る、ぬるめのお風呂に漬かる…慢性疲労を抱える人は、小さなことから実践してみましょう (C)PIXTA
睡眠をしっかり取る、ぬるめのお風呂に漬かる…慢性疲労を抱える人は、小さなことから実践してみましょう (C)PIXTA

文/榎本志津子 写真/PIXTA