「両立しにくい環境」に耐えられず退職する人も

 ダブルケアを理由に仕事を辞めたことがある人は全体の1割。どのようなことが退職の要因になったのか聞いたところ、「子どもが保育園に入れず両立できない」が最も多く36.0%、次いで「職場が両立しにくい環境」が30.0%、「親(義親)が介護施設に入れず両立できない」が27.0%となりました。男女別では男性が「子どもが保育園に入れず両立できない」が1位でしたが、女性は「職場が両立しにくい環境」が1位となり、男女差が顕著となりました。

求められる「公的サービスの拡充」

 公的な介護・子育てサービスについて、不十分と感じている経験者が多いようです。「公的な介護サービス」について「十分」は計25.2%、「不十分」は計74.8%に。「公的な子育て支援サービス」についても、同様の傾向となりました。

 調査によると、介護施設や保育園の入所基準をダブルケア世帯に配慮することが必要だと感じている経験者も多いようです。まだまだ課題の多いダブルケア問題。しかし少子高齢化社会で、その足音はどんどん近づいてきています。人生は想定外のことが起こるもの。個々に備えることが、職場の理解につながるかもしれません。

文/大楽眞衣子 写真/PIXTA