ワークライフバランスのために工夫していること

 2016年は長時間労働や過労死が問題になり、がむしゃらに働くよりも、仕事もプライベートも大事にしたいと思う人が増えているのは当然のことなのでしょう。

 果たして女性たちは、自分のワークライフバランスに満足しているのでしょうか?

 「現在(離職中方は前職時)のワークライフバランスはいかがですか?」という問いかけには、「ワークライフバランスが取れている」人は35%、「どちらでもない」人は30%、「ワークライフバランスが取れていない」人も35%という結果になり、三者三様であるようです。

ワークライフバランスが「非常に良い」「良い」と答えた人は、どの世代も約3~4割にとどまる
ワークライフバランスが「非常に良い」「良い」と答えた人は、どの世代も約3~4割にとどまる

 「ワークライフバランスが取れている人」を見ると、

「今年よりフレックス制度が使用可能になり、スケジュールを組み立てやすくなった」(28歳女性)

「会社の方針でNO残業デーがあり、メリハリをつけて仕事に取り組めていた」(34歳女性)

「職場の上司が子どもがいるメンバーに対して理解があるため。また、急な入院や病気にも回復するまでの間、時短勤務を認めてくれるため働きやすい」(38歳女性)

 といった声が上がっており、職場の環境が整っていることが分かります。

 反対に「ワークライフバランスが取れていない人」からは、

「終業時間が遅く、帰宅してからは寝るだけ。給与が低く、休みの日などに趣味に使えるようなお金が無いので、そういう意味でもプライベートの充実とは程遠い毎日です」(30歳女性)

「サービス残業が当たり前。業務負担の軽減を提案しても人手不足に加え人件費をかけられない状況。業務効率の仕組みも社員が自分たちで作り上げていかなくてはいけない」(33歳女性)

「ワークライフバランスを推進している会社でしたが、上司が帰るまで仕事がなくても帰れないなど、昔からの会社の風土やカラーが残っていた会社でした」(42歳女性)

 と旧態依然である職場状況がうかがえます。

 さらに、ワークライフバランスが悪い人に、「どのようにしたら改善すると思いますか?」と聞いてみると、「仕事の割合を減らす」という回答が57%に上りました。

ワークライフバランスはどうやったら改善するか
ワークライフバランスはどうやったら改善するか
 

 回答とともに「業務を可視化し、社員で共有し合うことで業務効率が上がり、一人当たりの仕事が減りそう」「人手不足で業務が偏っているので、人員を確保すると業務量が減る」という声も上がっています。

 理想の働き方を聞いてみると、

「仕事、プライベートにかかるエネルギーや時間のバランスが取れるように、仕事量が調節できる働き方」(31歳女性)

「自分の仕事をしっかりと完遂した上で、自分の趣味の時間や家族との時間を有意義に過ごすこと。仕事に手を抜いたり、やりがいを全く感じられない状況だと、プライベートも充実しないと考える」(31歳女性)

「結婚や出産・育児、介護などのライフステージの変化にも柔軟に対応してもらえ、生涯働く環境が保てる働き方」(33歳女性)

 といった理想像を描いていることが分かりました。

 もし、今の会社が女性活躍推進やワークライフバランスが取れる環境になかったとしても、一人ひとりが声を上げることで、ボトムアップで職場やトップの考えを変えていけるかもしれません。

 キャリアアップもワークライフバランスも手に入れて当たり前の時代を作りたいものですね。


文/三浦香代子 写真/PIXTA