「個人名で働く=転職・退職」ではない
「個人名で働きたい」という強いニーズがある一方、実現するのはなかなかハードルが高い。調査結果からは、「個人名で働きたい」と考える人の半数以上は、それを実現できていないという実態も明らかになった。理想と現実のギャップの大きさがうかがえる。
では、どのような形で「個人名で働く」ことを実現するのか。理想の勤務形態として、「フリーランスとして働いたり起業したりするよりも、会社に所属しながら副業・兼業で個人の仕事もしたい」という人が4割以上いることが分かった。
「解禁する企業はまだ少ないとはいえ、企業も個人も副業を推進する流れが強くなりました。副業・兼業前提で働きつつ、1社に所属するだけでなく幅広い視点を持って柔軟に働きたいという人が増えています」(留目さん)
独立できない理由は「スキル不足や自己ブランドへの不安」
「個人名で働きたい」という思いがある一方、それを実現できていない背景には「スキル不足」や「自己ブランドに対する不安」も大きい。
「個人名で働くことを妨げていること」は何かという質問への回答は、「自分に十分なスキルがない」という声が最も多く、「セルフブランディングができない」「やり方・方法がわからない」という回答が続いた。加えて、「会社の許可が取れるか」「会社にバレるリスク・罰則」など社会的な環境面での不安も挙げられた。ミレニアル世代の女性の意向に反して、社会的な環境がまだ追いついていない現状もうかがえる。
では、どのように「自己ブランド」を築いていけばいいのか。
サミットでは、「大手企業社員」と「経営者・フリーランス」両者が本音を語るパネルディスカッションも開かれた。大手企業社員として登壇した、リクルート勤務の岩本亜弓さんは、「会社に自分をブランディングしてもらいながら、自分が会社をブランディングする意識を大切にしています」と話す。