【質問4】今だから笑える「新人・新任時代のとんでもエピソード」は?

【回答】緊張し過ぎてFAXに営業電話をかけてしまいました

 新卒で入社した会社には、私の前にも横にも上司の席がありました。そんな状況で営業の電話をかけなければいけないので、新人時代はガチガチに緊張していましたね。

 ある時、何度も取引先に電話をしているのにつながらなくて焦ってしまい、上司に「ピーピーいうばっかりで、電話がつながりません」と泣きついたら、「お前、それFAXや!」って。緊張し過ぎて、電話口の「ピー」という音がFAXだと気付かなかったんです……。

 他にも取引先の隣の駐車場に長時間停車し、隣の会社の車が出るに出られず、カンカンに怒らせてしまったこともあります。あの時は人生で初めて菓子折を持って、上司と謝罪に出向きました。

 こうした失敗から学んだのは、事前準備と事後確認。自分の不注意で迷惑を掛けてしまったので、確認作業には何倍も気を付けるようになりました。また、もし誰かが失敗したとしても頭ごなしに否定せず、必ず状況を聞くようにしています。

【質問5】「現在のわたし」につながっているな、と思う趣味や好きなことは?

【回答】ゲームです

 小さい頃からゲームが好きで好きで、攻略本を買ってもらっては裏道や裏ステージをクリアして楽しんでいました。今の仕事や働き方にも、ゲームはとてもいい影響を与えてくれたと思います。

 好きなゲームは、ボタンを連打したり、反射神経で攻撃をかわしたりするアクションゲームです。そして、なかなかクリアできない通称「無理ゲー」のほうが燃えます! 起業のときもそうですが、準備期間1年というハードな目標を設定するほうが、「どうしたらクリアできるか」「そのためにすべきことは何か」と意識を集中させることができるんです。

お気に入りのゲームはスーパーファミコンの「ドンキーコング」と「ワギャンランド」。難しいステージほど燃えるタイプだそう
お気に入りのゲームはスーパーファミコンの「ドンキーコング」と「ワギャンランド」。難しいステージほど燃えるタイプだそう

 ゲームも事業も、最終的に目標達成(ゴール)できればいいわけですから、それまでのミスや失敗は、目標達成するためのヒントになります。

 ゲームがオン・オフを切り替えるスイッチにもなっていて、毎日「始業前」にゲームをし、集中力を高めてから仕事に向かっています。

***

 ダメと言われると燃えるタイプ、ゲーム好きなど、原さんの意外な一面が明らかに。後編でも5つのキーワードから、原さんの仕事とライフスタイルに迫ります。

聞き手・文/三浦香代子 写真/西田優太

原 麻衣子(はら・まいこ)

メイクステージ代表取締役社長。起業をめざす女性が「不安ゼロ」でスタートできるよう、コンサルティングを行っている。自身も26歳のときに準備期間1年で起業した経験を持つ。近年は夢を叶えるための「すごろくノート術」のワークショップも開講している。