日本初の女性旅客機機長として日本やアジア上空をフライトしている日本航空の藤明里さん。パイロットとして活躍する現在に至るまでには、どのような道のりを歩んできたのでしょうか。10の質問で聞きました。

 大学卒業後、米国のパイロット養成学校でライセンスを取得。日本で仕事をしながら日本のライセンスを取得して、1999年にJALエクスプレスに入社した藤さん。2010年に、女性としては日本で初めての旅客機機長に昇格し、現在は日本航空の737機長を務めています。キャリアに影響を与えた人との出会いから、仕事の愛用品まで、お話しいただきました。

日本航空で737機長を務める藤明里さん
日本航空で737機長を務める藤明里さん

【質問1】どうしてパイロットの仕事を選んだのですか?

【回答】「自分に合っている」という直感がきっかけです

 就職活動の前から「定年まで働ける仕事を選ぼう」と思っていましたが、何をするかまでは決めていませんでした。乗り物が好きで飛行機にも興味があったことから、「パイロットはとてもやりがいがある仕事なのではないか」という直感を抱き、目指すことにしたのが始まりです。

 私より少し上の先輩たちは、女性が総合職として働く門戸を開いてくれた世代です。学生時代には、「女性は結婚して家庭に収まるだけではない」と話す先輩たちの姿に憧れましたね。自分の性格を考えても、家の中にいるよりは外で活動するというかたちで社会的に貢献するほうが合っていると思っていました。

【質問2】仕事の愛用品を教えてください

【回答】チョコレートと日焼け止めです

 フライトバッグにはいつもチョコレートを入れています。私は無類のチョコレート好きで、家にはチョコレートがたくさんあるんです。食べる時はすごく幸せですし、仕事へのモチベーションも上がりますね。少し疲れた時も、小腹がすいた時にもすぐに食べられるので、チョコレートは便利な食べ物だと思っています。

 もう一つの必需品は日焼け止めです。海が好きなこともあり「日焼けくらいいいや」と最初は思っていたのですが、ある時鏡を見たら、顔の片側だけが日に焼けていました。当時は副操縦士だったので、コックピットで座るのは右側。窓に面している顔の右半分だけが日焼けしていたのです。「これはまずい」と思い、一番強い日焼け止めを使うようになりました。