【質問2】「国産洋画劇場」でイチオシの作品は?

【回答】「六城」と「船と氷山」です

友近:まず見ていただきたいのは1作目。国産にこだわっているので、テーマは日本の国技の相撲です。タイトルは「六城(ロクキ)」。「六」に「お城」って書くんですけど。

「六城」のキービジュアル。この構図、どこかで見覚えが…あの名作「○ッキー」ではないですよね…
「六城」のキービジュアル。この構図、どこかで見覚えが…あの名作「○ッキー」ではないですよね…

秋山:主人公は六城関という実力派の力士なのですが、ちょっとしたトラブルで闇相撲のほうに行くようになって。ファンも離れる中で悪戦苦闘する六城が、いかに上に登っていくかという、不器用な男の国産スポーツストーリーです。

友近:私は、和菓子屋の娘役で登場します。

秋山:その娘さんと出会って、二人は少しずつ引かれ始めるんですけれど、六城がとあることから大きな相撲の大会に出ることになってね。PYC、Pacific Yokozuna Championship(パシフィック・ヨコヅナ・チャンピオンシップ)という試合に……。

秋山:とにかく、世界中の力士が集まる晴れ舞台で六城がどう闘うのかという、完全オリジナルの物語です。1本30分、前後編でお届けします。

友近:ちゃんと恋愛模様も描かれているドラマなので、女性にもオススメですよ。

秋山:これは間違いなく世界中ではやる作品になります。世界中に知れ渡り、先々まで語られるストーリーになります。断言できます。まだ公開前ですが、僕たちには分かるんです。次の作品も言っちゃいましょうか? 「船と氷山」です。

編集部:「船と氷山」?

友近:私たち、船が好きなんですよ、ホントに。私は愛媛県出身で、秋山さんは北九州で。やっぱり船でよく地方行ったりもしていたので。

秋山:一緒にどんな話が作りたいかと話していたら、自然と“船”というキーワードが出てきたんですよね、すぐ。

友近:「何かキーワードをお互いに出し合いません? せーの……」で、「船!」って同時に言ったんです。

秋山:その段階で「すぐに動いてくれ、クルー」と言って、すぐ準備して脚本もみんなで考えて組み立てたのがこのお話なんですけども。若者が浜松町から出る夢の船に乗って千葉に向かうんですよ。その途中に何かが起こるんですね。氷山がどう絡むかは言えませんが、かなり大きなアクシデントというか……。船の中で繰り広げられるラブストーリーでありながら、貧富の差が描かれる深い話にしたいなと思っています。

友近:実際に船に乗ると、雑魚寝の部屋、1等寝台、あと個室と分かれているんですよね。そこでちょっと生活が見えてくるというようなストーリーに。

秋山:友近さんがどうしてもこだわったのが、船の「突先」でしたよね。

友近:そうなんですよ。やっぱり、船の中にずっといると、人って行き詰まってくるでしょ? 人間関係に疲れたときには、デッキに出たくなると思うんですよね。

編集部:まさか、船の突先で両手を広げるあの名作…

秋山:もちろん、セットはすべて国産でそろえるつもりです。船も国産ですし、海も国産。何なら海の中で泳いでいる外来種の魚は全部撤去して。そこまでこだわりたいですね。

友近:船長さん役には谷隼人さんをキャスティングさせていただきました。

秋山:何かやっぱり束ねる感じがしますよね。繰り返しますが、キーワードはマジで「氷山」です。何かが起こります。日本でなかなか見ない氷山ですが、今は「異常気象」ですから。ご期待ください。

【質問3】今のお二人のご活躍につながっている人物を一人ずつ挙げていただくと?

【回答】「親父」(秋山さん)「姉」(友近さん)

秋山:親父かな、俺は。親父はもともと斬られ役とかの役者をやっていて、今は船でレストランを経営しているんですが、俺が高校を卒業する時に「大学に行くな。勝手に好きなことをやれ」と言って家を追い出したんですよ。ためていた学資保険のお金を全部出して「これを旅費に使え」とか言って。

 それで東京に出てきたものの、やりたいことがすぐには見つからなくて、最初は代官山で雑貨店を開こうかなと思っていたんです。アメリカに憧れて。国産にこだわっているはずのヤツが真逆ですけどね(笑)。

友近:私は姉かな。物心ついた時から圧倒的に面白い姉が身近にいて、姉に「面白い」と思われたくて、ずっと姉妹で遊んでいたのが原点となって、今の自分がつくられたかなと思いますね。

秋山:そのお姉さんのお子さんが、またとんでもない女の子なんだよね。

友近:はい。8歳のめいですね。ついこの間も、「夏休みの宿題として書いたポエム」というのがメールで送られてきたんですが。ポエムのタイトルは、「8才夏ふしぎ」。日経ウーマンオンラインさんの記事には載せられないなかなかの下ネタですが(笑)、完璧なフリとオチなんですよ! そんな親族に囲まれて、今も刺激を受けています。