各界で活躍する女性に、今の自分をつくった「10のこと」を聞く本連載。今回は特別編として、お笑いトリオ・ロバートの秋山竜次さんとタレントの友近さんをお迎えしています。前編では、お二人のコラボ企画「国産洋画劇場」の見どころや、影響を受けてきた人物とのエピソードをお話しいただきました。後編では、今につながる経験や自分の「らしさ」を見つけるコツ、そして演じてみたいキャラクターについて伺います。終始、笑いの絶えない取材の様子をお届けします。



お二人が演じてみたいキャラクターって?
お二人が演じてみたいキャラクターって?

【質問6】「あの経験があるから今がある」と思える失敗やつまずきといえば?

【回答】「遠回りはしてきたと思います」(友近さん)

友近:失敗とは少し違うかもしれないけれど、私、正直、遠回りはしてきたと思います。愛媛でいろいろやってはいたけれど、すぐにはデビューできなくて。でも、焦りは全くなかったんです。「私なりのネタをちゃんと作っておこう。そして、それを面白いと言ってくれそうな人に出会おう」と、せっせとやっていました。

 26歳で吉本(NSC)に入った1年目に、先輩芸人のバッファロー吾郎さんと出会えたことは大きかったですね。愛媛時代からテレビを見ながら、「この人たちは私のネタを気に入って面白がってくれるかも」と思っていたんです。思ったよりも早く出会って引き上げてもらったのはラッキーでした。それから、演者の皆さんの口コミでだんだんと舞台に立てるようになったんです。

秋山:へぇー、すごい! 最初から「自分を面白いと思ってくれる人に出会おう」という姿勢を持っていたんだ。

友近:私が愛媛にいる時に秋山さんがデビューしていたら、きっと「一緒に仕事をしたい」とイメージしたと思います。イメージが大事。

秋山:なるほどね。

友近:私、これまで全部、イメージ先行で生きてきましたよ。「この人とこの人とを組み合わせたら面白いな」とか「あの番組にこの人出したらこうやろな」とか。勝手に脳内キャスティングしていますもん。

秋山:友近さんが演出した番組見てみたいなぁ。

友近:ほんま、任せてほしいです。いい番組作れる、私(笑)。

秋山:こんな言い切れる人、おらんでしょ。でも、「自分で企画を作るのが好き」というのは僕たちの共通点かもしれませんね。

 質問の答えで言うと、僕も失敗というか、コンプレックスがバネになったことが芸人としての持ち味になったかなと思いますね。

 高校時代はとにかく「イケてない」「モテない」グループで、馬場たちとつるんでばっかり。「同じ部活の女子と制服でチャリンコ押して帰る」みたいな経験はゼロで、モテる奴らを指差して「見ろよ。あいつ、今、アクビしたけど、カッコつけてる嘘のアクビだぜ」とか言ってるようなね(笑)。そのもんもんとしたモテないストレスを、変な遊びにぶつけていたのが今の笑いの原型になっているという。

友近:学生の遊びをそのまんま舞台上でやってる感覚で、楽しそうですもんね。でも、お金を取れるクオリティーに高めているのが、ロバートさんのすごいところ。

秋山:「昔やってたの、そのままやないか!」「まだやってんの?」ってよく言われます。