【質問7】仕事で出会い、最も影響を受けた人物は?

【回答】林真理子さんをはじめとするプロフェッショナルです。

 書籍「働く女子と罪悪感」でも詳しく書いたのですが、私の仕事観に大きく影響する成長機会をいただいたという意味では、仕事でご一緒した外部のプロフェッショナルの方々との出会いが大きかったですね。

 中でも、入社7、8年目から「週刊朝日」の対談連載を担当させていただいた作家の林真理子さんと、表紙を撮ってくださった篠山紀信さんとご一緒できたことは、私にとって大きな糧になっています。 林真理子さんの連載は立ち上げから企画しましたが、当時のデスクが「放置型」だったので、人選も一からやるしかない。忘れもしない、初回ゲストは宮沢りえさん。用意した原稿を林さんに送ったら「面白くない」とダメ出しされて、一から書き直し。本当に鍛えていただきました。

「いつも0.5度以上難易度の高い仕事に挑戦するよう意識してきました」
「いつも0.5度以上難易度の高い仕事に挑戦するよう意識してきました」

 当時も売れっ子作家だった林さんの、仕事に対するプロフェッショナリズムも目の当たりにしました。1日3本の対談収録の合間の30分で、連載小説をガーッと書き上げるその熱量。篠山さんから上がってくる写真のクオリティーの高さ、こちらの想像を裏切る意外性にも、いつも驚かされていました。20代の吸収期に林さんと篠山さんというお二人と同時期に仕事ができたことはとても幸運でしたし、「社外の人からもたくさん学べる」と体感できたことも、長く働き続ける上での財産になりました。

 「社内にロールモデルがいません」と悩む若い女性たちの声もよく聞きますが、「社外に目を向けてみて!」と言いたいですね。それに、完璧な人なんて世の中にいないのだから「この人のここを学ぶ。あの人のここを学ぶ」とパッチワーク型のモデルをつくっちゃえばいいんじゃない? と思います。

【質問8】好きな映画や音楽はありますか?

【回答】「マイ・インターン」!

 映画は大好きで、「AERA」時代はよく試写にも足を運んでいたのですが、最近は忙しくなってなかなか時間が取れなくなってしまいました。そんな中鑑賞の機会になるのが、海外出張での機内プログラム。

 毎回飛行機に乗るたびに見てしまうのが、2015年公開の「マイ・インターン」。コメディータッチで楽しめるストーリーだけど、アン・ハサウェイ演じる女性起業家のヒロインが、家族を持ちながらも、自分の仕事や会社を大切に守り、成長のために孤軍奮闘している姿に深く共感! 「みんな、やっぱり孤独でも頑張っているんだな」と勇気をもらえるんです。

 そして、そこに登場するのが、定年を迎えてインターンとして入ってくるロバート・デ・ニーロ。ヒロインの心情をそっと気遣い、サポートしてくれる。現実にはあり得ないような夢物語ですが、「こんなに心の広いメンターがいてくれたら」と希望を持たせてくれる。さらに言うと、ヒロインが仕事を頑張っている間に、専業主夫の夫がママ友と浮気するというシーンも……「懸命に働いてるのに、これかよ!」って泣けます。でも、泣いてスッキリするのです(笑)。