「ゲーセン女子」としてテレビ番組に出演するなど、ゲームセンター文化を広める活動をしているおくむらなつこさん。多い日には出社前・昼休み・仕事帰りと、1日に3回ゲームセンターへ行くこともあるそうです。ゲーム業界にお勤めかと思いきや、勤めているのはマーケティング関連企業で、職種は人事。仕事との両立はどうしているのか? こんなにゲームが好きなのにあえてゲーム業界に就職しなかった、その理由は? ゲーセン女子の「働き方」について聞きました。

仕事と趣味を近づけられないかを考えた

――仕事とゲームセンター通いをどのように両立させているのですか?

 ワークライフバランス、という言葉がありますが、私の場合は「ワークライフミックス」なんです。仕事と趣味を別のものとして分けてしまうと、両立の仕方としては「時間のやりくり」しかないと思います。週末をすべて趣味の時間に充てるとか、スキマ時間をうまく活用するとかですね。それも一つの選択肢ですが、私の考えは、「仕事と趣味を近づけてしまおう」というものです。

 例えば、営業職なら「ゲーム会社から仕事を受注する」という目標を立てれば、会社で堂々とゲームについて調べることができるようになります。仕事の時間に趣味のことも考えられて、成果も出たら、仕事と趣味を切り離す必要はなくなりますよね。

――そうですね。ただ、そのためには自分の好きなものをオープンにする必要がありますが、おくむらさんは会社で趣味を打ち明けることに抵抗はありませんでしたか?

 入社当初は、私もゲームのことには触れていませんでした。全力で仕事をしていく中で、少しずつオープンにしていきました。会社に自分の好きなことを持ち込もうと思ったら、まずは仕事で結果を出す必要がありますから。そうやって徐々に自分なりの落としどころを探していき、今では隠すことなく活動させてもらっています。

おくむらなつこさん 会社員として働きながら、年間330日ゲームセンターに通う「ゲーセン女子」でもある

趣味は社員の強みでもある

 そもそも「仕事も趣味も全力でやる」ことを許してくれそうな会社を選んだ、ということもあります。私が勤めている会社には「すべてが仕事で、すべてが遊びである」という考え方があるので。

 ただ、私の会社が特別かというと、そんなことはないと思います。どんな会社でも、社員が強みを持つことを嫌がることはないと思うんです。仕事とは畑違いの趣味でも、そちらの分野で有名になって、例えばテレビ番組などに出演することがあれば、勤めている会社の知名度も上がります。そうした相乗効果が出てくれば、会社だって後押ししてくれるのではないでしょうか。

 私は会社でもゲームセンターの話をしますし、ゲームセンターで出会った人たちにも自分の人事の仕事について話します。どちらか一方の自分を隠すことなく、できるだけ開示することを大切にしています。

――仕事と趣味を近づける上で「自分をオープンにすること」は大切な要素なんですね。

 そうですね。どちらか一方の私が本当の姿というわけではないので、仕事も趣味もオープンにし、いろいろな人と交流したいですね。

 私は、「人との距離は『共感』で縮まる」と思っています。出身地や好きなアーティストが同じだったり、似たような経験をしていたりすると、急に親近感が湧くことってありますよね。だから一つでも多く、相手との共通点を探したいんです。

 ゲームセンターに興味がなくても、もしかしたら私がよく行くゲームセンターのある街に住んでいるかもしれない。そのささいな共通点が、その人とつながるきっかけになることは少なくありません。自分をオープンにしていれば、その共通点を見つけやすくなりますから。