安らぎホルモン「オキシトシン」の効果

1. ストレスを緩和させる

 オキシトシンは、ストレスを軽減させ、抗ストレスホルモンであるコルチゾールの増加を抑える。47組の異性カップルを、オキシトシンを鼻にスプレーした群とそうでない群に分けた。それぞれのカップルに意見の異なる事柄について議論をさせると、オキシトシンなしの群に比べてありの群では、双方に思いやる行動が多く、唾液中のコルチゾール濃度が低下していた。

2. 幸福感が高まる

 わが子に示す愛着行動が多い母親や、結びつきが強く身体接触が多いカップルほど、オキシトシンの分泌は高く、喜びや幸せ感も大きい。

3. 社会性が高まる

 相手に対する信頼感や共感が増し、仲間を助けようとする。特に自分が属するグループに対してその傾向が強くなる。

4. 不安感が和らぐ

 「人や動物を対象にした研究で、オキシトシンを投与すると不安行動が減少したり、恐怖の中枢である扁桃体の活動を抑えたという報告もある」(尾仲教授)。

5. 体温が上がる

 動物試験で、オキシトシン投与によって褐色脂肪細胞が刺激され、熱産生が高まり体温が上がったという研究もある。

6. 食べ過ぎを防ぐ

 オキシトシンは食事によっても分泌され、満腹感を促す。動物試験で、オキシトシンを投与すると食べる量が減ったという報告も。