4つのつまずきポイントを押さえよう

 今回編むのは「クラッチバッグ」。1本の糸で、底の部分から順に編んでいき、くるくると螺旋を描くように編み進めるだけで出来上がるのだそう。クラッチバッグに限りませんが、1本の糸だけで物が出来上がるということが、編み物初心者には不思議で仕方ありません。

 この日のワークショップには特別に、オランダHoooked Zpagettiの生みの親であり、Hoooked 社社長のヘイシュ・モシースさんと、フィンランドのニットデザイナー、モラ・ミルズさんが参加して、直々に教えてくださいました。

左:モラ・ミルズさん/右:ヘイシュ・モシースさん 二人とも笑顔がチャーミングです
左:モラ・ミルズさん/右:ヘイシュ・モシースさん 二人とも笑顔がチャーミングです

 フィンランドでは、小学校で編み物の授業が必須。冬が長い国だから、みんな自分で身につけるセーターや靴下などは自分で編むんだそう。幼少期に編み物をする機会がなく、大人になってもまともに編み物をしたことがなかった私は、ちょっぴり羨ましく思いました。

1.最初の目

 まず初心者がつまずくポイント、「最初の目」。私は恥ずかしながら、それすらもやり方を知りませんでした。早速、詳しい手順を見ていきましょう。慣れてしまうと簡単ですが、初心者は糸の向き、かぎ針を持つ指の位置も大切です。

最初の目の作り方
最初の目の作り方

【1】糸の手前にかぎ針をおく

【2】糸の下から、かぎ針をくぐらせる

【3】かぎ針先を、糸にかける

【4】【5】かけた糸を引き出す

【6】出来上がり(この最初の目は、1目にカウントしない)

2.くさり編み

 最初の目を作ったあと、くさり編みをします。ここで、バッグの横の長さが決まります。好みの長さまで目を編みましょう。長いとクラッチバッグ、短いとポーチなどに向いています。

くさり編み
くさり編み

【1】最初の目を作ったあと、下から編み針をくぐらせて糸をかける

【2】かけた糸を引き抜く。これをくり返す

くさり編みをし終えたところです
くさり編みをし終えたところです

 かなり不恰好ですが、安心してください。最初の不細工さはまったく問題ありません。

3.こま編み

 さぁ、ここからが本番です。「くさり編み」のあとは、「こま編み」をしていきます。ここで初心者は頭が混乱して投げ出したくなりますが、ここさえクリアすれば、あとはひたすら編む作業が楽しくなります。

こま編み
こま編み

【1】となりの目(青印)

【2】となりの目に編み針を入れ、糸を先端にかける

【3】一つのループだけ、ひきぬく

【4】もう一度、同じ穴に編み針を入れ、二つのループをひきぬく。これでこま編み1目の完成! そのまま端まで編み進めましょう