今や転勤は、結婚や育児、介護の足かせになる

カワイ 先日、転勤に関する大規模な全国調査が行われました。その結果、「転勤があるので結婚をためらう」と回答した女性が4割もいて、男性でも3割もいることが分かった。(労働政策研究・研修機構調べ)

ニケ ゲッ、男性でも結婚、ためらっちゃうんだ~。

カワイ 「転勤があるので、子どもを持ちづらい」と感じている男性も、3割いたのよ。

ニケ ってことは、女性はもっと多いってことですよね?

カワイ 女性は5割です。半数以上の女性が、「転勤があるから出産をためらっている」としたの。さらに、「転勤があるので育児がしづらい」と答えた人が半数以上、「介護がしづらい」という人は7割を超えていました。

ニケ そういえば、うちの会社に転勤断って、辞めた人がいたんですね。その人、実はお母さんの介護してたのに、そのこと誰にも言ってなかったんです。会社辞めた後にそれが分かって、みんな「シ~ン」って感じでした。

カワイ 「シ~ン」?

ニケ はい、シ~ンです。うちの会社の転勤は課長クラスの40代からあって、断る人はいないんですよ~。だからみんな陰で、「転勤拒否はわがままだ」って文句言ってたんです……。

カワイ 親の介護が始まるのは、たいてい40代~50代。その年齢だと会社でも責任ある立場になっているので「周りに気を使わせたくない」という思いから、人知れず介護する人が多いの。5人に1人が「隠れ介護」状態にあるともいわれています。

ニケ そ、そんなに!? うわぁ~、子育てとか、介護とかいろいろあるから、もう転勤とかやめてほしいです!

カワイ そうね~。ただね、転勤そのものが悪いわけではない。問題は、「ノー」という答えが用意されていないこと。「亭主元気で留守がイイ!」の時代と違って、家族のカタチが変わったんだから、働く人と相談できる制度や風土が必要です。

ニケ 亭主元気で留守がイイ? アッハハ、なんですかソレ~?

カワイ 防虫剤「タンスにゴン(現・タンスにゴンゴン)」のテレビCMで、1986年に大流行したフレーズです。当時は専業主婦が当たり前だったので、「亭主は家にカネさえ入れてくれれば、いないほうが楽~」という奥さんの気持ちをコミカルに表現したの。

ニケ ウフっ、今は「亭主絶対留守するな!」ですよね。