嫉妬でメラメラしている相手を鎮火させるには

カワイ もし、彼と同じ状況に遭遇した時、彼のような幼稚な行動はしないとみなさんは言い切れる?

 私には……ムリ。ムリです。「アナタは来なくていい」と言われた瞬間にぶちキレて、徹底的に年下上司を困らせる嫌な女になると思う。

 「お局さま」もひょっとしたら、男性と同じなんじゃないかな。

ニケ ……ってことは、相談者の女性が何かひどいことをお局さまに言ったかもしれないってことですか?

カワイ それは分からない。ただ、会社という組織では、必ずしも正当に能力や、会社への貢献度が評価されるわけではないから、悔しい思いをすることってあるでしょ?

 お局さまも、この相談者の女性がTOEIC 965点を取って、海外の仕事を任せてもらうようになったことを、本当は「すごい頑張った甲斐があって、良かったね!」と言ってあげたかったかもしれない。でも、それを言えない自分がいたんじゃないのかな。

 世間では、それを“嫉妬”と呼ぶんでしょうね。誰にでも他人をうらやむ気持ちはありますから。

 絶好調で人生に満足できているときには、嫉妬なんかしないで済むけど、いつもいつも、いい状態でいるわけじゃないから、難しいですよね。

ニケ う~~っ。じゃあ、「嫉妬されてる私、すご~い!」って、超ポジティブシンキングすればいいってことですか?

カワイ (笑)それもアリですけど、それじゃ、肝心の業務の不具合が解消されない。手書きの名刺は渋くていいけど、支払いはちゃんとやってもらわないと困るでしょ。

ニケ じゃあ、「お局さま、アナタが私を嫉妬する気持ちはよ~く分かりました。でも、仕事は仕事なんで、きちんとやってください!」って正々堂々言えばいいんだ!

カワイ そんなの火に油を注ぐようなもんでしょ!

 そもそも庶務や総務の仕事は日の当たらない仕事です。でも、そういった環境で長年コツコツと働いてきたお局さまのような“陰の戦士”たちがいるから、会社の仕事は回るわけです。

 なので、ほんの少しだけでいいから、敬意を持って接してほしい。働く人たちが例外なく求めるもの、それは「敬意」です。相手が上司であれ、部下であれ、同僚であれ、誰もが自分に「敬意」を持って接してほしいの。

 それはね、メールの最後に「いつもこちらの勝手なお願いばかりで申し訳ないです。寒い日が続いていますので、ご自愛ください」ってたった一言を付け加えるだけでもいいし、何でもかんでもメールするんじゃなく、直接お願いに行けばいい。めんどくさい、ですよ。でもね、自分の仕事をスムーズにしたいと思うなら、めんどくさいことをするのは当たり前です!

ニケ つまり、「わざわざ彼女の席まで」って書いてあるけど、わざわざ行け! ってことですよね!

カワイ そうです。それを怒りではなく敬意に変えてほしいです。敬意を持つということは、一人の“人”として相手と向き合うこと。役職とか、職種とか、年齢とかを超えて、一人の“人”として接する気持ちをほんの一瞬でも持つだけでいい。それでも“事件”が解決しないときは、上司に正々堂々と相談するんです。何も恐れることなく、相談してください。

 ちなみに……私、案外手書きの名刺は好きですよ。“人”っぽくてステキだと思いますよ(笑)。

文/河合薫、写真/PIXTA

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