心の扉を開いてみたら…

カワイ 確かに困った人たちです。でもね、そういう困ったおじさんも、家に帰るとかわいい娘の頼りになる父親だったり、息子の将来を案じる優しい父親なの。会社のこと全く考えてないわけじゃないし、自分に満足してるわけでもない。30歳 営業・企画・編集職さんも含めた若い世代のことや、部下のことを気にしてないわけでもないのです。

 つまり、問題は問題なんだけど、それで「全人格」を否定するのはあまり賢明ではないですよね。

ニケ た、確かに…。ムネオにもいいところある気がする…。

カワイ あら、そう! どんなところ?

ニケ へ? どんな…って聞かれると困るんですけど…。きっとあるんじゃないか、と。

カワイ (笑) アナタは本当に…、面白いわね。あのね、一つだけ試してみる作戦があるのね。三項関係をうまく使ってみる。コレ、どうかしらね?

ニケ 三項、関係、ですか?

カワイ はい、そうです。三項関係は人間だけが持つコミュニケーションの手法で、「他者」と「自分」という二項関係に、「他者」と「自分」を媒介する「対象」を加えるのが「三項関係」です。例えば二人で荷物を持ち上げるという作業をするのに、私たちは、相手の持ち方や姿勢、持って行こうとする方向を、相手の動きや視線から読み解き、相手と合わせながら持ち上げようとする。同じ方向を見ながら、一緒に取り組む人の心の動きを察して、自分がどうすべきかを考え、共に動くでしょ。それを仕事にも取り入れるの。

ニケ それって例えば自分が抱えてる仕事を、ムネオと一緒にやる、ってことですか?

カワイ まぁ、それもアリだけど、現実的じゃないですよね? なのでちょっと面倒臭いかもしれないけど、おじさん層の中で一番話しやすそうな人に「相談したいことがある」とか、「教えてほしいことがある」とか言って、一対一で向き合う時間を作ってみてほしいの。それで自分が抱えている仕事で分からないこととか、不安なこととか、ちょっとだけ自分の「心の扉」をおじさんに開いてみる。そういった心をほぐす運動をした上で、「これ、ちょっと手伝ってもらえないでしょうか?」とか、「この間の企画書、なるべく早くいただきたいのですが」とか言ってみる。

ニケ 30歳 営業・企画・編集職さんを、娘のような感じで応援してくれるかも…。

カワイ その通りです。心の扉を自分から開くと、相手も開いてくれます。おじさんの文句ばかり言うのは、おじさんが待遇に文句ばかり言ってるのと同じですよね。だったら、1回くらいおじさんの「娘もどき」になって、甘えてみてもいいんじゃない?

心の扉を自分から開いてみるのも手 (C) PIXTA

ニケ …ムネオ…パパ…。うわぁ~、ムリだムリだムリだ!

カワイ (爆笑)パパになってもらわなくてもいいです。

ニケ ムネオ、父。ムネオ、おじ。ああ、ど、どれにすればいいですか~?

カワイ というわけで、今週は以上。また来週~!

文/河合薫 写真/PIXTA

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