「独身だという理由で、いろいろ生きにくい34歳です」――編集部に届いた独身者の叫び。健康社会学者の河合薫さんが、アラサー独身会社員代表・ニケさんとの掛け合いでお答えします。リアル人生相談の連載第12回です!

あるあるカイシャ事件簿Vol.12
「独身だという理由で、生きにくい」

 結婚・出産を選ばなかった女性は社会の悪なのでしょうか。
 独身男性が仕事をしていれば、それは特別なことがなく、ネタにされるぐらいです。独身女性が普通に仕事して適当に出世していくと、「仕事に生きている」と言われ、触れないように気を使われます。それがとても生きにくいな、と感じます。
 この息苦しさをどうにかしたい。心の整理をしたいです。河合さん、どうすればいいのか教えてください。
(正社員 34歳)

(C)PIXTA
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カワイ 34歳……。微妙な年齢にさしかかりましたね~。

ニケ ウフ、薫さんもそうだったってことですか?

カワイ 講演会に行った時に「いい遺伝子残しなさい」とか「忙しくてデートする暇もないでしょ?」とか言われることがあって、あまり気分のいいものではなかったわね。

 ただ、私の場合は、周りにシングルが多かったの。30までに「行く人」は行って、それ以降は今に至るまで、「状況に変化ありませ~ん!」って感じだったから、救われたかな。それにそもそも私、いまだに諦めてないですからね~。

ニケ ゲッ! ええっと……諦めてないって、な、ナニをですか? あの、誰も恐くて言えないと思うので、私が言いますけど、薫さん。もう無理ですよ。もう。無理です。どんなに薫さんに体力があろうと、若く見えようと、出産は……。

カワイ (爆笑)ナニ、そっち? アッハハ。それはないない。そっちはない。残念だけど無理だもの。

ニケ ……ん? ああ、なるほど! 玉の輿を諦めてないってことか!

カワイ それはアナタでしょ。私が言いたいのは人生なんて、ありえないことの連続なの。だから、明日、ビビビビビ~って来る人とエレベーターで出会うかもしれないし、明日、突然「結婚したい!」とか「子どもが欲しい!」とか思うかもしれない。そういう意味で「諦めていない」って言ったのです。

ニケ 人生はあり得ないことの連続。深いっすね! さすがだ。薫先生、敵なし、最強だわ……。心配した私が間違ってました。でも、相談者の女性は、自分の意志で「結婚・出産を選ばなかった」んじゃないですか? その選択が受け入れられないことに苛立ってるんですよ、きっと。

カワイ それってどっちでもいいのよ。それこそ周りの人たちからしたら関係ないし、たとえ今は「選ばなかった」としても、この先何があるか分かりませんから。