グループみんなで、残業をなくす取り組みを

ニケ うわぁ! それだったら、部下たちもみんな必死でダイエットすると思う! ついでに体もダイエット~!

カワイ まぁ、それはどうでもいいですけど……。いずれにしても、女性がリーダーになると、その部署は残業が減る傾向にあることがこれまでの調査でも分かっているの。女性上司は、男性よりもコミュニケーション能力に長けているので、部下や同僚と親密になる。それだけでもダイエットできるわけ。そこに明確な「残業を減らそう!」って目標を掲げれば、ダイエット効果はますます高まります。

ニケ はい! 私は体重45キロを目指します。

カワイ ……それは、ニケさん、無視するわね。

 えっと……そうそう、特にエンジニア系の職場では、女性上司の効果が顕著に出ることが、いくつもの調査で分かっていて、私が以前かかわったSEを対象とした調査でもそうでした。

 エンジニアの人たちの仕事は、基本、一人。でも、ちょっとずつ協力することで劇的に仕事を効率化できるの。特に忙しいときに周りの人が「おい、どうした?」ってちょっと声を掛けるだけで、気持ちに余裕ができたり、「それだったら、私のほうで処理できるよ」と協働できる。それが結果的に、残業の削減につながるんです。

ニケ 女性がリーダー、いいっすね! オジさんリーダーは、家に帰っても居場所ないし~、早くから飲みにいくとお金かかるし~。自分が会社にいたいから、わざと残業なくさないんですよね。

カワイ オジさんたちがどうかは別として、残業が多い職場は、「残業してる人が評価される」と部下が思っている職場です。

 今まで誰もやったことのないことをやるのは、勇気がいるかもしれません。でも、ニケさんが言うように、誰だって、できれば残業なんかしたくない。会社の上層部だって「残業削減」に取り組もうとしてる人を止めるようなことはしません。それこそブラック企業って言われることにビビってますから。なので、相談者の方も一人きりで頑張らないで、メンバーたちと一緒に取り組んでほしいです。

ニケ そうそう! 絶対にみんな協力しますよ! でも、家庭崩壊しないために、ダンナさんにももうちょっとだけ踏ん張ってもらわなきゃですね!

カワイ ちなみに人生最後の時を過ごす患者たちの緩和ケアに数年携わった、オーストラリアのブロニー・ウェアという人がこんなことを言ってました。

 死を間近に控えた人々が口にした後悔の中で多かったもの1位は「自分自身に忠実に生きれば良かった」。2位は「あんなに一生懸命働かなくても良かった」だったと。「仕事に時間を費やし過ぎず、もっと家族と一緒に過ごせば良かった」と、多くの人が感じるのだそうです。

ニケ うわ~、堪える~。残業なんかやってられない! 家族作らなきゃ!

文/河合薫 写真/PIXTA

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