キャリアストレスに遭遇するアラサーは多い

カワイ それまでの生活を一新して、新しい場所、新しい人、新しい仕事をやるようになると、「心機一転、頑張ろう!」って気持ちになりますよね? でも、それだけのこと。年が明ければ「今年は頑張ろう!」、新年度になれば「今年度は頑張ろう!」って思うのと同じです。

ニケ そっか! 年が明けても、別にキャリアアップにならないし、新年度になったからといって、キャリアアップするわけじゃないですもんね~。ニケの会社でも転職していく人がいるんですけど、なんか「オレは勝ち組だぜ~。君たちはここでしか生きられなくてかわいそうだなぁ~」みたいな上から目線なんですぅ。そういう人たちは、「転職さえすればキャリアアップする」って勘違いしてる人なんですね!

カワイ その通りです。ただ、25歳・技術職さんの「どうも仕事内容に納得ができず、すぐに他の職種に目移りします」という気持ちに共感する同年代の女性は多いでしょうね。

ニケ え~。ニケは25歳のときそういう気持ちになったかなぁ~。ああ~、遠い昔で思い出せない!

カワイ ずいぶん近い遠い昔ね(苦笑)。あのね、 早い人では25歳くらいから、遅い人では30歳過ぎくらいに、最初の「キャリアストレス」に遭遇するの。

ニケ 「キャリアストレス」って、生まれて初めて聞く言葉です!

カワイ 生まれて初めて(苦笑)。 なんだか、今日はいちいち面白いわね。

ニケ テヘへ。そ、それほどでも……。

カワイ 私たちは「将来なりたいもの」を夢見る幼少期からスタートし、中学でいろいろな仕事を知り、高校生や大学生のときに就職活動を経て社会に出ます。その後は40年以上の歳月を働くことに時間を費やし、さまざまなキャリアを経験して、やがてリタイアを迎え、終止符を打つ。このキャリア人生の、それぞれのステージを通過する際に遭遇する壁が、「キャリアストレス」あるいは「節目ストレス」と呼ばれています。

ニケ ってことは、25歳・技術職さんは、「キャリア人生のステージを通過する壁」にぶつかってるってことですか?

カワイ その通りです。20代後半から30歳過ぎまでは、キャリアの初期ステージから、中期への移行期です。学生生活が終わり、実際に社会に出て、キャリアを重ね、仕事が自分の生活の一部となっていくでしょ?

ニケ 生活の一部どころか、大部分になっております(涙)。

カワイ 就職するまでは妄想の世界だった「仕事人」である自分が、現実の「仕事人」になる。3年間くらいは、しんどいことがあっても新しい経験を山ほどするから飽きることはない。でも、だんだんと目新しいことがなくなり、平凡な決まりきった日常が繰り返されるようになってくると、「本当に自分のやりたい仕事、自分に合った仕事はいったい何だろう?」という迷いが出てきます。

 ほら、3年目に会社を辞める人が多かったり、海外留学をする人が出てきたりするのも、「キャリアストレス」によるものと考えられているのよ。

ニケ そっか。薫さんもCAを辞めたの28歳の時ですもんね。