言葉という武器で相手と向き合う

ニケ 議論だと「説得」はできるかもしれないけど、39歳営業さんが目指す「分かり合える」はムリっす。

カワイ はい。ムリです。分かり合うには、その中間の「対話」が必要なの。

 対話とは、「身分・地位・知識・年齢などありとあらゆる服を脱ぎ捨て、全裸になって言葉という武器だけで相手と向き合うこと」をいいます。

ニケ うわぁ~、かっこいいじゃないですか! それ、オバちゃんというより格闘家って感じ~。

カワイ 「言葉という武器」とかって、ちょっとかっこいいフレーズを使ってみましたけど、平たく言えば、頭で紡いだ言葉じゃなくて、心で紡いだ言葉を使うコミュニケーションのこと。

 例えば、男性部下に仕事を教えるときに、自分の経験から話す。自分がその仕事をやったときに、どう思ったか、くだらないとか、意味不明だったとか、面倒臭かったとか、何でもいい。とにかく、部下と同じ立場だったときに抱いた気持ちを言葉にする。仕事の方針でぶつかったときには、自分が考えていることを素直に言う。何もかっこつけずに、自分の言葉を紡ぐ。

ニケ つまり、年上だからこういうふうに言わなきゃダメとか、なめられたくないとか、アレコレ頭でっかちになるんじゃなくて、自分らしく、自分の言葉で言いたいことを言うのが対話ってことですね。

カワイ 部下は話を聞いて感銘を受けるかもしれないし、逆に反感を持つかもしれない。あるいは「話が分からない」と理解を示さないかもしれない。

 でもね、相手がどう受け止めようと、経験や仕事に対する思いから語られる言葉には相手を考えさせるパワーがあります。そういうコミュニケーションをすれば、部下との距離も縮まり、苦手意識もなくなっていくと思いますよ。

経験は多いほうがいい (C) PIXTA
経験は多いほうがいい (C) PIXTA

ニケ オバちゃんって、結構かっこいいんですね。ただ好き勝手言ってるように思ってたけど、「ありとあらゆる服を脱ぎ捨て、全裸で言葉という武器だけで戦え!」。チョ~かっこいい! ニケも今日からオバちゃんを目指します!

カワイ オバちゃんになるには、もっともっとあがいて、あらがって、苦労しなきゃね。辛辣な言葉の中にも愛があるオバちゃんを目指してね。私も頑張りますって、ん? そっか。私はとっくに、正真正銘のオバさん&オバちゃんでした! アハハ! また、来週~!

文/河合薫 写真/PIXTA

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