「女の敵は女だと思います」――そんな投稿が寄せられました。そんな人は、どのように同僚女性と渡り歩いていけばよいのでしょうか。健康社会学者の河合薫さんが、独身アラサーOL・ニケさんとの掛け合いでお答えします。リアル人生相談の連載、第16回スタートです。

あるあるカイシャ事件簿Vol.16
「一匹狼スタンス」って実はラク

 私は「女の敵は女」だと思っています。
 お互い笑顔で接しながら、恋人の有無や仕事の地位、身に付けているものを詮索し合っています。女性同士でランクづけしているようで疲れます。
 転職して今の会社に入り、転職直後は打ち解けようと合わせていたのですが、いろいろ面倒で。今は一匹狼と割り切って、女性の上司も部下も同僚も、一定の距離を置いています。任意の付き合いには参加していません。
 おかげですごく楽になったので、これからもこのスタンスを貫くつもりです。
 河合さん、これは“アリ”でしょうか?
(大手損保会社 正社員・秘書職 33歳)

ニケ あらあら、ずいぶんと強気な相談ですね~。っていうか、これって相談なんですか?

カワイ (苦笑)「“アリ”でしょうか?」って聞いてるんだから、間違いなく相談だわね。

ニケ ふ~ん。そうなんだ~。でも、わざわざ薫さんに意見を求めることじゃないっすよね~。一匹狼でよろしゅうございます! 以上。チャンチャン。

カワイ 出た! ニケの辛口相談! いつものパターンでいくと、ニケさんはこういうタイプの女性が……、嫌いってことですね(笑)。

ニケ ギクッ……(冷汗)。っていうかですね、私のこれまでの観察結果によれば、「恋人の有無や仕事の地位、身に付けているものを詮索し合ってる」って言う人ほど、他人のこと気にしてるんですよ。そんなもんハナっから気にしてない人は、「へ~。そうなんだ~」って、のんきに受け止めますよ!

 私……、ホラ、薫さん知ってるでしょ? 彼のこと……。私は、彼は将来有望だと信じているんですよ! でも、まだ稼げていない自称ミュージシャンの彼と付き合い始めてから、人の彼氏の話がものすごく気になり出しちゃって。だから………。

カワイ うわぁ……、涙目にならないでちょーだいよ。アッハハ、そうね。ニケさんの言う通りですね。気にしてるから気になる。気にしてない人は気にならない。ええ、その通りです。

 ただね、「そんなの気にしてるアナタが悪い。一匹狼多いに結構。相談する意味なし!」と突き放すのは、ちょっと違うと思いますよ。

 そもそもなぜ、私たちがこんなにも人間関係に悩むんだと思う? アレコレ悩むのは疲れるし、めんどくさいし、ストレス溜まる。だったら、いっそのこと相談者の方のように割り切っちゃえばいい。なのに、それをしないで悩み続ける。なぜ?

ニケ う~ん……。言われてみれば、確かに。私なんて生まれてこのかたず~っと、人間関係で悩んでいる気がします。

カワイ 私もそう“でした”。過去形なのはフリーランスで働くようになってから、決まった職場っていうものがなくなって日常を共にする人がほとんどいなくなった。そしたら悩みは激減しました。でもね、その分……、喜びも減りましたね。