思いやりで相手の心を揺さぶる
カワイ 相談者の彼女なら、営業マンのことを思う。「この数字の出し方で、分かるかな?」「このまとめ方で使えるかな?」「こうやったほうが効率よく外回りできるかな?」とか。
そんな風に、自分のやっていることの先にいる人に思いを巡らせながら仕事をすると、その仕事をやっている意味が自分のものになる。と同時に、コミュニケーションのきっかけになります。
「先日のまとめ方、どうでした?」とか、「ちょっと工夫してみたんですけど……、外回りどうでしたか?」とか。そういったたわいもないコミュニケーションの積み重ねが、協力的に仕事をするための土台になっていきます。
ニケ なるほど~。別にソイツのこと思えってことじゃなくて、ソイツが仕事しているときのことを思えばいいですね。
そういえば、学生アルバイトの子が、私が仕事で使う資料をコピーしてきてくれたときに、クリップで留めてきてくれたことがあって。「うわぁ、なんで分かった?」って思わず言っちゃったんです。そしたらバイトちゃんが、「ホチキス留めされた資料を、いつもバラして使われていたので……」って。
もうメチャクチャ感動しちゃって、クリスマスのときにサンタのクリップをプレゼントしちゃいました! もちろん「プライベートで使ってね!」って言って。そしたらバイトちゃんがすごい喜んでくれたんです。うれしかった~!
カワイ ニケさん、いいところあるわね。バイトちゃんは素敵ね。私たちも見習わなきゃですね。
自分の仕事の先にいる人を思いやる、温かくて優しい強い気持ち。そういったピュアな思いには、他人の気持ちを揺さぶる力があります。なので、相談者の方は、まずそこからやってみてほしいです。ニケさんがそうだったようにね。
ニケ うわぁ~、なんか心が少しだけホワッとなった。薫さん、ありがとう! あっ、でも「それって営業の仕事じゃない?」って仕事を振られたときはどうしたらいいですか?
カワイ まずは、今言ったことをやってみて。それでまた、そういう釈然としない場面に出くわしたら、相談してもらいましょう。
ニケ はい! そうしましょう。「○○を思って」仕事をしたら、その手の問題もなんかしら解決しそうな気もするし……。よし、私帰ります!
カワイ 早っ! ああ、そうか。そうかそうか。はい、はい、どうぞ! おいしい手料理がんばって!
ニケ な、なんでバレてんねん。今日はカレーが食べたいので、カレーにしよう! 彼のため、じゃなく。自分のために彼のことを思いながら作ります! もし、彼が飲み会になったら、薫さん家にお届けします!
カワイ い、いや、そ、それは遠慮させていただきます……っていうか、ウチどこにあるか知らないでしょ?
ニケ あっ、そうでした! だったらぜ~んぶ一人で平らげます! さよなら~。
文/河合薫 写真/PIXTA
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