検査を受ける一歩を踏み出す勇気を

カワイ それで、翌日、母は病院に行ったまま、3カ月戻らなかった。「即手術が必要」と診断され、入院することになってしまったの。当時は全摘手術が当たり前の時代。母は10時間近くかかる手術をして、放射線治療のために3カ月も入院したのよ。

ニケ そうなんですか……。今は、お母さまは、お元気なんですよね?

カワイ バリバリ元気(笑)。乳がんだったことも忘れてしまうくらいね。ただ、母が乳がんと闘っていたとき、私はまだ中学生だったから、母の不安とか、苦しみが、よく分かっていなかった。

 でも、今は分かる。きっと母は一人の母親として、一人のがん患者として、一人の女性として、ものすごく不安で、主婦の仕事とがん治療を両立するために、踏ん張っていたんだろうなぁって。娘なのにそのことがちっとも分かっていなくって、申し訳なかったと思っている。

ニケ 中学生じゃ分からないですよね。……でも、なんで薫さんが、「検査を怖がる気持ちが分かる」んですか?

カワイ 乳がんは遺伝するって聞いていたので、怖かったの。実際には、乳がん患者の5~10%しか遺伝性ではない。でも、もし見つかったら……って思うと怖くて。マンモグラフィーも痛そうだし、ね(苦笑)。

 結局、検診を受けないまま、何年も過ぎてしまいました。その間に私の周りでも乳がんになった人が何人かいて。余計ビビってしまって、受けられなかったの。

ニケ あちゃ~。相談者の方と一緒じゃないですか! ダメですよ、それ。私なんてちゃんと毎年受けてますよ!

カワイ ニケさんの言う通りです。仕事を頑張りたいと思うなら、余計に自分の体のケアが必要なんですよね。私もすくんでしまった時期もあったけど、今は毎年、受けていますよ。マンモも思ったより痛くなかったし、先生に美乳って言われちゃったし!(笑)

ニケ な、なんですかそれ? そんなの乳がん検診で分かるんですか?

カワイ アッハ、先生がエコーとマンモの画像みながら、「無駄なものがないですね~」っていうから、「それって美乳ってことですか?」って聞いたの。そしたら「まぁ、そう解釈してもいいですよ。私は無駄な脂肪がないとしか言ってませんよ」って言われたけど(笑)。

ニケ あ、アノ~。それって胸がペ、いやいや、胸がさ・わ・や・か・ってだけじゃないですか~。まぁ、良かったですね! はい、良かったです。しこりなし、影なし、脂肪なし、サラサラオッパイ、バンザイ!