上司の黒子に徹するのが最善の道

ニケ じゃあ、後輩上司に敬語を使うのは、どうなんですか?

カワイ 敬語を心掛けることはいいと思うけど、部内での会話では、時にはタメ口になってしまっても問題ないです。ただ、公の場では敬語にするほうが、33歳・編集専門職さんのためにはいいかもしれないですね。

ニケ 「アイツは上司にも友達口調で失礼だ」って、周りから思われちゃいますもんね。じゃあ、持ち上げるのは?

カワイ 持ち上げるっていうのは、ちょっと上から目線かな……。後輩上司もやりづらいと思いますよ。むしろ後輩上司が見落としているところとか、手が回っていないところを、黒子となってフォローしてあげるほうがいいですね!

ニケ ウフ。「必殺黒子戦法」ですね!

カワイ 前回、自己アピールのお話、したでしょ?(過去記事・地道で効果的な自己アピール術 誇示しないのが鉄則

ニケ はい。自己アピールとは、「私が、私が」ということではなく、自分がやっていること、やったこと、やろうとしていることを「口にする」ことです!

カワイ ピンポーン! でも今回の例では、逆です。アピールは決してしないこと。

ニケ 薫さ~ん。今、ニケ、ちょっとネガティブな感情を抱いてしまいました……。自分は評価されず、後輩上司のお手柄になってしまいませんか。

カワイ それでいいの。「必殺黒子戦法」は、自分を消すことでしか成立しません。

上司をフォローする黒子に徹することが大切 (C) PIXTA
上司をフォローする黒子に徹することが大切 (C) PIXTA

ニケ 一生懸命、後輩上司をフォローして、そのことを後輩上司は分かってくれるのでしょうか?

カワイ 分かってもらいたい?

ニケ で、できれば……。

カワイ いずれ分かってくれますよ。

ニケ いずれって?

カワイ う~ん。10年後くらいかな(苦笑)

ニケ げ、10年後! そ、そんなぁ~。

カワイ いいじゃない。それで。だって、後輩上司の手が回らないところをやるだけよ。それにね、今、ニケさんがきちんと仕事できているのだって、黒子役をひそかにやってくれてる人がいるからかもしれないわよ。一人でできることなんて何もないの。誰かが必ず黒子になってくれています。この記事だって、今、こうやってニケさんとやり取りして、それだけで出来上がるわけじゃないでしょ? 編集さんがいて、校正さんがいて、デザイナーさんがいて、デスクの方がいて……。そういった黒子となっている人たちがいるからこそ、読者に届けることができているのよ。

ニケ ウッ……。た、確かに……。誰がニケの黒子なんだろう?

カワイ マルオかもよ~。

ニケ ナイナイナイ! それはナイです!