結婚できない・しない私と「女の賞味期限」

「独身のあなたはバリキャリで頑張るんでしょ」

（河合）　結局のところ、結婚や出産の賞味期限って、周りの影響を受ける―そんな相談が連載に多く寄せられるんです。みなさんは、結婚・出産をしないと、「独身のあなたはバリキャリになるのでしょう」と見られてしまうことへの、不安みたいなものはありますか？ 自分自身は、普通に働いて、普通に生活したいだけなのに、周りはそれを許してくれない。「バリキャリ」という型にはめようとする。だから、逃避的に結婚したいとか思ってしまうって。

（みずたに）　逃避的というのは、分かる気がします（笑）。

（やまだ）　私の職場は、今ベビーブームなんですね。30歳前後の女性が次々と産休・育休を取って、みんなちゃんと職場復帰してきて、8時半～5時の勤務で残業しないで帰ります。それができるうちの会社は、おそらく女性に優しい会社なんだと思うんですね。でも、そういう働き方に疑問が湧いてしまうんです。

（河合）　疑問とは？

（やまだ）　私は独身で、残業ができる身ではありますが、周りから「バリキャリ」と思われているかどうかは分かりません。一方で、ワーママの「5時で帰る働き方」で本当に仕事が終わるのかって、疑問に思ってしまうんです。

（かんだ）　うちの会社も出産を機に出張がない部署に異動して、「9時5時」で働く感じです。私のように海外出張に行くような仕事をしている方はいません。面と向かって言われたことはないですけど、現実的にはフットワークよく働ける独身者しか、バリバリ働けるポジションには残りませんね。

（みずたに）　私の会社も産休や育休は比較的取りやすい環境ですけど、復帰して元のポジションに戻っても、「子どもがいたら出張はムリでしょう」とか、「土日出社はムリでしょう」とか、トゲのあることを言われるようになって、だんだんと「ムリムリ包囲網」が張られてしまう傾向があります。なので、復帰できても肩身の狭い思いをさせられている女性を目の当たりにすると……いろいろと考えてしまいます。

　なんというか、男性と同じようにバリキャリで働くのがノーマルで、ワーママになると閑職に追いやられるといった感じなのかもしれません。

　先日も、結婚して子ども産んで戻ってきて頑張っていた人が、出張のない、時短勤務が可能な部署に移されてしまいました。

（河合）　本人の希望じゃなくて、異動させられてしまったのね。

（みずたに）　そうですね。古い考え方の人が上層部にいて、ワーママのことを快く思っていないんです。すると現場の人たちが忖度（そんたく）するんです。

（河合）　こんなところにも忖度！（笑）

（みずたに）　そうなんです。どんなにワーママがやる気があっても、上がそれを受け入れない。そして結果的に、独身がバリキャリでないとダメという感じになってしまうんです。だから、そういう働き方に疲れると……、逃避的に結婚したくなる。