若手男子に味方になってほしいのに……

(えんどう) うちの会社なんて、女性だけでローテーションを組んで、来客へのお茶出しや社員用のお菓子の買い出しをやらされるんですよ。

(河合) 社員にお菓子? おやつの時間があるの?

(えんどう) そうなんです。でも、買ってきて配るのは女性の仕事。そして、それが当たり前になっているのがすごく嫌です。同期の男子までオジさんたちと同化して「これは自分の仕事じゃない」みたいな態度を取るのがムカつくんですよね。私は普通に自分の仕事をしたいだけなのに。でも、みんながお菓子を喜んでくれるのを見ると、こうやって不満に思う私は心が狭いのかなぁと思ってしまい、またモヤモヤする。

「女性限定の仕事」が暗黙の了解で作られてしまっている
「女性限定の仕事」が暗黙の了解で作られてしまっている

(やまだ) 私の会社の場合、ごみ捨ては当然のように女性の仕事になっています。男性がしているところを、私はこの5年間で一度も見たことがないです。毎日ごみはたまっていくので、誰かが捨てなきゃいけないのに、男性は気付いていても面倒臭いことは絶対にやらないですね。そういうことやっても評価は一つも上がらないし、男性からは感謝もされないので、ものすごくむなしい。

(えんどう) なんで若手の男子って、ああいうときだけ「オジさんの仲間入り」するんですかね。先日、ある部署でごみ箱が段ボールで蓋をされていたことがあったんですね。それで「なんで蓋をしているの?」って聞いたら、「臭うじゃん」ってケロッと言われてしまって。気が付いているなら捨てに行けばいいのに、絶対にやらない。でも、誰かがやらなきゃいけないじゃないですか。だからといって「気が付いたなら、やればいいでしょ」みたいなことを言うと、小姑みたいな目で見られちゃうんです。

 若いときなら普通の業務も下っ端の仕事しかしてないんで、雑用があってもまだなんとかなった。でも、今はキャリアアップしなきゃって賞味期限を感じてるのに、本業に集中できないことが、ものすごくストレスです。

(河合) これだけ女性活用だのなんだの言ってるのにね。一つひとつはささいな仕事でも、それが毎日で、当たり前のように女性限定にされると……、「やってられるか!」って気持ちになっちゃうわよね。

(かんだ) 私は、いい意味で早く賞味期限が来ないかなぁって思っていることがあるんです。

(河合) 早く来てほしい賞味期限?

(かんだ) はい。お嬢ちゃん扱いされたり、「大丈夫か、いい人いるのか」とか言われたり、そうかと思うと「女の魅力でおまえ契約を取ってこい!」とか言われたりすることです。そういうのって、女として見てくれているという反面、一人の働く女性ではなく「若い小娘」みたいに受け止めているわけですよね。

(やまだ) 女の魅力で取ってこいって、レッドカードだ、それは。

(かんだ) 完全にセクハラなんですけど、冗談で言ってるってことは分かるので、元気があるときは適当にあしらえるのでいいんです。それこそ「女として見てくださって、ありがとうございます」って嫌みの一つや二つは言い返せる。でも、疲れているときに言われると、いつまで若い小娘扱いするんだと悔しい気持ちになる。

「女の魅力で契約取ってこい!」はレッドカードですよね
「女の魅力で契約取ってこい!」はレッドカードですよね

(河合) 結局、オジさんは会話力がないのよね。何か話したいし、コミュニケーションを取りたい。でも、話のネタに乏しいから下世話な会話しかできないのでしょうね。ただね、「若い女性」という賞味期限が切れると、今度は「もう若くないんだから、これくらい言ってもいいだろう」って、もっと失礼なことを言ってくる人もいますよ。

(かんだ) 確かに、それはそれで嫌だな……。私、あともう一つ嫌なことがあって。今、4人ぐらい年下がいるのですけど、彼らに甘えられると私もどんどん強くなってしまって、結構キツい言い方をしてしまうんです。そうすると上の人とかに「おまえ怖いなあ」って言われちゃう。

(河合) いいのよ。怖くて。もちろん理不尽なことで怒る必要はないけど、怖いと思われるのが嫌だからって、なあなあにする必要はないのよ。だいたいそういうことって、周りの関係のない人が言うのよね。でも……嫌よね。

(かんだ) 嫌です。「怖い基準って何?」って、突っかかっちゃう自分もいて。イライラする自分も嫌になります。