昇進してすぐに後悔、でも面白いことが待っていた
カワイ はい、本人も「しまった。ノリでなってしまった!」って、課長就任初日に後悔したそうです。
ニケ じゃ、なんで仕事が面白くなったんですか?
カワイ 課長になったら、管理職会議に参加しなければならなくなったのね。
ニケ ほら~、やっぱ大変じゃないですか!
カワイ そうね。会議なんて面倒臭いですよね。でもね、そう思って出た会議で彼女は「へ~っ!」と目からうろこが落ちることがたくさんあったというの。
ニケ な、何があったんですか?
カワイ ヒラのときには知り得なかった会社の情報にアクセスできるようになったり、社長が考えていることや上司たちが悩んでいることが分かるようになったりして、上の人たちも大変なんだなぁって思うようになったって。それまでモヤモヤしていた視界が開けたって言ってました。
ニケ ふ~ん。
カワイ つまりね、ヒラのときにはすべてが受け身で、自分で決められることがなかったわけですよ。でもね、上の人たちの考えていることが分かると、「こんなふうにやったらどうかな?」とか、「○○さんにもっとこんなことやってもらったらどうだろう?」とか、考えるようになったの。自分から仕事を仕掛けられるんだ、って思えたことがとても新鮮だったと言ってましたよ。
ニケ 自分から仕事を仕掛ける、ですか……。それはそれで大変だし、そんなパワーはニケにはないです。
カワイ 今の環境では「パワーないです」ってことが、環境、つまり、他の部署の課長さんと接点ができたり、社長との距離感が縮まったりすると、「自分で決められる自由」を得た気持ちになるのよ。
ニケ ホントですか~?
カワイ 立場が変わると見える景色は変わります。物事の考え方も変わる。接する人々も変わる。それらはすべて人間の持つ「たくましさ」を引き出すリソースになるの。するとね、自分でも驚くくらい自分が変わるの。
ニケ リソースって?
カワイ さまざまな問題やストレスに対抗する武器みたいなものね。特に「自分で決められる自由」というのは大きなリソースです。責任と自由はコインの表と裏。管理職になることは「自分で自由に決めることができる権利」を会社から与えられることでもあります。
ニケ 自由……?