テレビ東京主催のイベント「テレビ東京ビジネスフォーラム2016」にて、「女性の活躍」に対して議論をするトークバトル「ゲキ論!女性活躍の真相」が開かれました。実際「活躍」とは何を指すのか、何が必要とされているのか、果たしてそれには女性の関わりだけでよいのか――。加藤勝信・1億総活躍担当大臣からAKB48メンバーの高橋みなみさんまで、多種多様なパネリストが集結して開催されたアツいディスカッションの様子をレポートします。
AKBたかみなも激白! トークバトルがスタート
安倍政権が成長戦略の一つとして打ち出した「女性の活躍」。少子高齢化が進み労働力人口の減少が懸念される中、経済成長に貢献することと紐付けされた「女性の社会進出」というワードは、今やニュースで見ない日はありません。
政策の一環として厚生労働省は「女性活躍推進法」を制定、労働者301人以上の大企業は女性の活躍推進に向けた行動計画の策定が義務付けられ、2020年には女性の管理職を30%にまで引き上げるという目標がいったんは掲げられました(※編集部注:2015年12月3日、「あらゆる分野で30%」という目標値を断念し、「国家公務員・本省課長級は7%、都道府県職員・本庁課長級は15%」など、分野別数値に変更された)。
一方で、国に「活躍」を求められることに抵抗を感じる女性も少なくなく、言葉で言うほど簡単に「活躍」できるかというと議論の余地が大きいところです。
MC
ショーン・マクアードル・川上さん(経営コンサルタント)
森本智子さん(テレビ東京アナウンサー)
パネリスト
加藤勝信 1億総活躍担当大臣
吉田晴乃さん(BTジャパン社長)
小島慶子さん(タレント・エッセイスト)
高橋みなみさん(AKB48)
飯田展久(日経BP社・日経ビジネス編集長)
このほか、様々な企業で働く女性、これから社会に出る女子大生も参加しました。
「女性の活躍」という言葉のそもそも論
まず「女性の活躍」という言葉そのものに違和感がある、という話で、口火が切られました。
ショーン・マクアードル・川上さん(以下、ショーン) そもそも「女性活躍」をテーマに激論しているようではダメ、そんな言葉はなくなっていかなくてはいけないですよね。
高橋みなみさん(以下、たかみな) 女性にスポットが当たるのはうれしいけど、男性に「女性活躍」と言われてもピンとこない。女性の皆さんは「何を今さら?」と思っているかもしれません。
吉田晴乃さん(以下、吉田) 逆に私は、「これはラッキーだ」と思っています。この時代に生まれた女性としてやらなきゃいけないことがあると思うから、これに乗っかっていきたいです。
注目していきたい新しい働き方
「社会への貢献、活躍=会社員として働くことではない」という新しい働き方を提案する動きにも注目が集まっています。ここで、会場に集まった女性にバトンが回され、そのうちの一人、美容師とサロンモデルのマッチングサービスを運営している女性が、自身の働き方について話しました。
その女性は、ほかの学生と同様、就職活動を行い、志望していたIT企業に内定。いったんは就職するつもりでいましたが、最終的に、大学在学中から手掛けていた事業を拡げて起業していくことに。起業してから1年、まだ利益を上げることは難しいものの、パソコンとネット環境さえあればいいこの仕事が楽しいと語ります。
また、今後のキャリアアップや将来設計について問われ、「キャリアアップしたから結婚・出産できないとは思っていないし、マッチングサービスのビジネスで個人を輝かせたい。女性は結婚や出産がゴールになりがちですが、そうではないプラットフォームを作っていきたいです」と前向きな展望を語りました。
たかみな 実際原宿を歩いているとカットモデルを探している美容師さんがたくさんいますが、それをビジネスとして考える発想がすごいですね。
吉田 若い人は消費者視点でアイデアをふんだんに出せるので、周囲がもっと支援しなくてはいけないし、楽に成功していけるようにしなくてはいけない。理不尽さで余計なエネルギーを使わなくていい世の中であってほしいですね。