企業がいったん退社した人を再雇用する理由

 では、どのようにして再雇用に至ったのでしょうか。

 再雇用した企業に「再雇用制度を設けているか」と聞いたところ、制度があるのは12%と少数派。再雇用のきっかけが何かと聞いてみると、「在職時の上司からの推薦」(59%)、「在職時の同僚からの推薦」(33%)、「社長・経営陣からの推薦」(31%)が上位に並びました。再雇用制度がなくても、再雇用を実施している企業が多くあり、制度よりもむしろ社員、とりわけ元上司とのつながりが重要であることが分かります。

(「再雇用したことがある」と回答した企業)再雇用をすることになったきっかけを教えてください。※複数回答可
(「再雇用したことがある」と回答した企業)再雇用をすることになったきっかけを教えてください。※複数回答可

 一方、企業側はなぜ再雇用したのでしょう。その理由は、「即戦力を求めていた」(75%)、「人となりが分かっているため安心」(65%)、「本人の強い復帰の意志があった」(46%)が上位となりました。再雇用は、企業にとってメリットがあるほか、本人の強い希望もポイントになることがうかがえます。

 再雇用した人員はどのような職種に就いているのでしょう。実に98%の企業が、退職前と同じ職種で雇用しています。「技術系」「営業」(ともに34%)といった専門性が求められる職種での再雇用が多くなっています。

(「再雇用したことがある」と回答した企業)再雇用後の職種は何ですか。※複数回答可
(「再雇用したことがある」と回答した企業)再雇用後の職種は何ですか。※複数回答可