サイトごとに個性がある動画配信サービス

 オリジナルのドラマや映画を制作しているのは、なにもNetflixだけではありません。また、バラエティーなどに力を入れている局もあり、個性が現れ始めています。

 Amazonプライム・ビデオでは、松本人志さんプレゼンツで「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」というシリーズを制作。また相方の浜田雅功さんも新番組「戦闘車」に出演しています。この他、Amazonはオリジナルドラマにも積極的で、ディーン・フジオカさん主演のドラマ「はぴまり~Happy Marriage!?~」や、「仮面ライダーアマゾンズ」、松田翔太さんと韓国のグループ・SHINeeのテミンさん主演の「ファイナルライフ -明日、君が消えても-」などを制作。海外でも、ウォン・カーウァイ監督などを起用してドラマを制作することを発表しています。

 冒頭で触れた、稲垣さん、草なぎさん、香取さんの3人が出演することになって話題のAbemaTVに関しては、他の会社とは異なるライブストリーミングであり、かつ無料で楽しめるので、若者に浸透しているメディアと言えるかもしれません。出演するタレントは、アイドルやお笑い芸人などが多く、バラエティーの比重が大きかったため、上の世代の視聴者には、あまりなじみがなかったように思います。しかし、稲垣さん、草なぎさん、⾹取さんの3⼈が参戦することで、今後は幅広い層に浸透することでしょう。さらにAbemaTVは、先日、ドラマの制作を発表しました。これでますます視聴者層を広げることになりそうです。

 また、「docomo」が運営している動画配信サービスdTVは前身となるBeeTVスタート時からオリジナルドラマなどを数多く制作してきた歴史があります。現在は、「銀魂」や「アイアムアヒーロー」「進撃の巨人」などの映画と連携して、スピンオフ作品が数多く配信されていることが特徴的でしょう。dTVは、バラエティーや漫画の映像化にも力を入れている他、ベテラン俳優の杉良太郎さんが企画・原作・脚本・主演・主題歌のすべてを手掛け、三代目 J Soul Brothersの小林直己さんが出演している時代劇「医師 問題無ノ介」シリーズを配信しています。そんなユニークな試みをして、配信を見る世代が広くなれば、時代劇などのコンテンツも増えていくのかもしれません。

 一方、安室さんのドキュメンタリーで話題となったHuluは、日本テレビが放送しているドラマのスピンオフなどが多いことが特徴的です。宮藤官九郎さん脚本で話題になったドラマ「ゆとりですがなにか」のスピンオフ「山岸ですがなにか」や、「HiGH & LOW」のダン、テッツ、チハルのショートコメディー「HiGH & LOW THE DTC」なども独占配信されました。また、バカリズムさんが主演、原作、脚本を手掛けた「架空OL日記」も、地上波配信と同時に未公開放送シーンを含む特別版を配信して、高い評価を得ました。この秋からは、そのバカリズムさんと一緒に仕事をすることが多い構成作家・脚本家のオークラさんがシチュエーションドラマ「漫画みたいにいかない。」を独占で配信することも決定しています。

 オリジナル作品の配信では後進であった動画視聴サイトのU-NEXTは、菅田将暉さんと韓国の俳優ヤン・イクチュンさんが共演の映画「あゝ、荒野」を独占配信。本編よりも長い未収録シーンを追加し、映画の公開よりも先に配信を開始して話題になりました。オリジナルエンドロールもあるとのことで、独自の展開を見せています。今後もU-NEXTは、オリジナルコンテンツにますます力を入れていく予定のようです。