もう一つのテーマは「紅茶」。日本茶に親しむ家庭環境で育ち、茶道を習うなど“お茶”は柴咲さんにとって身近なもの。中でも紅茶は、「鮮やかな色、豊かな香り、そして、カップ&ソーサーが可愛らしいところも大好きなんです。一瞬を尊いものに変える価値観に惹かれていました」。

新しい場所では自信が揺らぎ、身勝手な自分に気づく

 番組の中では、柴咲さんが好きだった茶葉の産地に出向き、その採取やセレクトの仕事体験をする様子が伝えられる。また、自身が「会いたい」という思いを温めていた、スリランカでオーガニックティーを作る日本人を求めて、山道を車で8時間かけて行くという過酷な場面もあった。

 「正直、本当に過酷でした(笑)。でも、そういう体験をすることで普段たくさんの人に守られていることをより自覚できるし、現実の生活をリアルに体験できる。せっかく旅するのだから、すべてを無駄にしたくないと思っていました。私のことを誰も知らない環境に行くと、自信を揺さぶられたり、身勝手な弱い自分に気づいたり、けっこう反省することも多いんですよ

 「好きになったものに対しては突き詰めて考えるタイプ」という柴咲さん。これまでの生活で好きになったもののルーツや完成までのプロセスに触れたことで、「自分がいいと信じていたものの裏付けができた」と振り返る。

 「いいものをより安く、という時代の流れはあるけれど、決して安くできないものだってある。丁寧にものづくりをする人たちの話を直接聞くことで、一消費者としても納得することができました」

「志ある仲間と共に働ける会社っていいなと思う」

「自分の好きなものはとことん掘り下げたい」
「自分の好きなものはとことん掘り下げたい」

 仲間と共に情熱をもって商品を作り続ける働き方に感動したという柴咲さん。

 「会社っていいな、って思いました。好きなことを追求して、思いを共有できる分身のような仲間たちと一緒に仕事をして……。志に共感できる環境の中で働くことができたら、3年後、5年後の自分が確実に変わっていくだろうなと思いました」