旅行先で見かけた赤い口紅がすてきなマダム

――赤い口紅というと、やはり大人の印象があります。

 例えばパリに行ったとき、すてきな人だなと思うのは、若い女性よりお年を召したマダムなんです。自分がこれから年齢を重ねていく上で、どういう女性になりたいのかという参考にもなるので、ついつい観察してしまいます。フランスのマダムの多くは、ヘアはラフに作っていて、肌もあまりファンデーションを塗っていない。コンシーラーとお粉を軽くはたくくらい。ナチュラルに仕上げた肌に赤い口紅を付けている方が多くて、憧れるようになりました。

 フランスの女性は「年をとっても一生女性」という意識がとても強いですよね。そういう考え方は心引かれますね。

「かわいい」と思った色の服を着たほうが楽しい

「やっぱり赤い服は多くなりましたね」と野宮さん
「やっぱり赤い服は多くなりましたね」と野宮さん

――日本人の感覚だと、年をとると派手なものが着られなくなるとか、どんどん全体的に控えめにしていく傾向にある気がします。30代になったのでピンクを着たいけれど躊躇(ちゅうちょ)してしまうとか、メイクに冒険しなくなるとか。

 私は40代で同じように感じましたが、30代で悩むのは、まだ早いですよ! でも、ファッションやメイクに悩んでいる方って、人からどう見られるかを気にしてしまうんでしょうね。もっと自分の気持ちに素直になってもいいと思いますよ。

 例えば、ピンクとグレーのセーターをお店で見て、ピンクのほうがかわいいと思ったら、ピンクを買ったほうがいい。かわいいと思った服のほうが、着ていて楽しいじゃないですか。グレーだったら長く着られるなどと計算しすぎて選んだ服って、愛着が持てなくて結局着なくなっちゃったりするんですよね。

――今日は赤をすてきに着こなしていらっしゃいますが、最近の野宮さんのワードローブの中心は何色ですか?

 やっぱり赤が多くなりましたね。赤以外には、ピンクとか黄色とか。だんだんビビッドな色が増えてきましたね。グリーンも好きですし。パステルカラーも好きです。

――パステルカラーですか…。30代後半くらいから、淡い色を着ると顔がくすむ、という声も聞かれるのですが。

 洋服が淡い色合いなのに、口紅もパステル系を選んでいませんか。パステルカラーと合わせる時は、赤など存在感がある口紅を付けると顔がぼやけにくくなると思います。どこかでメリハリを付けないと。真っ赤でなくても、エンジっぽい赤色ってパステルにすごく合うんですよ。