最善の選択肢は、時代に応じて変わる

 「会社は、その時々に“最善”と思われた選択の結果、持続しているもの。時代が変われば“最善”の選択肢は変わっていきます」。

 “当たり前”を疑わなければ潮目を見逃してしまう。久美子さんは現状のビジネスモデルを「なぜこうなっているのか」と分析し、これからも持続すべきものと変えるべきものを検証することを、ことあるごとに意識してきた。社外との交流を大事にし、オープンマインドで様々な意見を聞く機会も積極的に作っているという。

 「20年前、先代社長が会員制を導入したときにも、社内外から逆風が吹き荒れ、『うまくいくはずがない』と断じる人が後を絶ちませんでした。しかし、結果としては失うものもありましたが、得られるものも大きかったのです。いつの時代でも、すべての問題を解決するオールマイティーのビジネスモデルなど存在しません。今一番解決すべき問題を見極め、それに見合うビジネスモデルを選択する。その選択によって生じる問題があるとしたら、問題を最小化する工夫を考える。会員制で培った『いいものを安く』『質の高いサービス』といった良さは継承しながら、変わるべきところは大胆に変えていく舵取りが絶対に必要だと私は考え、実行しました」

年初に販売した大塚さんの「愛用品」福袋(1万円)の中身。リネンのタオルとワッフル織のスリッパ、香りの優しいバスキューブ
年初に販売した大塚さんの「愛用品」福袋(1万円)の中身。リネンのタオルとワッフル織のスリッパ、香りの優しいバスキューブ

取材・文/宮本恵理子、写真/洞澤佐智子

こちらの記事は、日経WOMAN4月号「旬な人」の大塚久美子さんのインタビューに加筆したものです。続きは、明日公開予定です。どうぞお楽しみに!