置かれた場所で“どう振る舞うか”は自分で決められる

 実は、20代の頃は現在のような自身の姿を想像していなかったという久美子さん。「人生は思う通りにならないですよね。でも、その時々で“どう生きるか”“どう振る舞うか”は自分で決められる。そう思えば、いつでも、どんな立場になっても、前向きに働き続けられると思います」

 後に続く女性たちにも「後悔しない選択」を勧めたいと言う。

 「例えば、管理職などの役職に就くといった打診が来たとき、少しでも興味を持てるとしたら、思い切って踏み出してみたらいいと思います。今ラクと感じるほうを選んでも、難しいと感じるほうを選んでも、人生は続いていきます。『あのとき、こうしていたら…』と後から思い悩むことがないようトライしてみるほうが、人生を楽しめるのではないかなと私は思います」

 自らの心に正直になったうえで、「自分ができることを全うしたい」と考える。「逃げない姿勢」で重責を担う久美子さんは、女性が強く軽やかにキャリアを重ねていくための心のあり方を教えてくれる。

取材・文/宮本恵理子、写真/洞澤佐智子

こちらの記事は、日経WOMAN4月号「旬な人」の大塚久美子さんのインタビューに加筆したものです。