最先端のITと、限界集落の高齢者――端と端をつなげる

 先ほどお話した集落のような、人と人とが助け合う愛に満ちた場所の知能を、ロボットの開発に入れ込むべきだと思っています。シリコンバレーの大学や研究所などの最先端のITの知能は、放っておいても絶対に入ってきますから、そこで補えないものを私たちは入れ込んでいきたい。

 地域のお年寄りたちも、自分たちが抱えている課題を差し出してくれたら、新しい製品づくりの一助になるんです。

 技術は使われないと意味がないですから。最先端のITと、限界集落の高齢者。端と端をつなげれば、“たからのやま”が生まれると信じています。


文/梶塚美帆 写真/竹井俊晴

プロフィール
奥田浩美
奥田浩美(おくだ・ひろみ)
インド国立ボンベイ大学(現州立ムンバイ大学)大学院社会福祉課程修了後、1989年に国際会議の企画運営会社に入社。1991年、ITに特化したイベントサポート事業を設立。2001年にウィズグループ、2013年にたからのやまを設立。2014年より、情報処理推進機構(IPA)の未踏IT人材発掘・育成事業の審査委員を務め、若い世代の新たなチャレンジを支援している。これまでに携わったITイベントの数は300以上。数億円規模のイベントをいくつも成功に導いている。著書に『会社を辞めないという選択 会社員として戦略的に生きていく』(日経BP社)、『人生は見切り発車でうまくいく』(総合法令出版)、『ワクワクすることだけ、やればいい!』(PHP研究所)がある。