広告代理店を舞台にした漫画「サプリ」(祥伝社)作者のおかざき真里さんと、WEB編集者の中川淳一郎さん。電通過労死事件以降、長時間労働がよりいっそう問題視され、社会はそれを改める方向へと進んでいますが、まだまだ課題が山積みです。そこで、過酷な現場を経験し、今も「働き方」について考え続けているお二人からアドバイス。第二回の今回は、仕事が忙しい人の恋愛事情について伺いました。聞き手は河崎環さんでお送りします。

第一回 過酷な現場での働き方
第二回 忙しい女の恋愛は○○が鍵(この記事)
第三回 仕事で罵倒されたことありますか?自己肯定感保つ方法

【第二回】忙しい女の恋愛は「分散させる」が鍵?

忙しい女性の恋愛について、語っていただきました
忙しい女性の恋愛について、語っていただきました

――日経ウーマンオンラインの読者のような年ごろの女子にとって、恋愛の重要性は大きいと思うのです。それが満たされていれば、仕事のつらさも救われるような。でも出会いを求める時間もないような忙し過ぎる人たちって、どう恋愛すればいいんでしょう。

中川淳一郎さん(以下、中川):大手の代理店は残業時間も毎月200時間なんてつきましたからね……。でも、時間をなんとかつくって外注先の人であるとか、大学の後輩であるとか、まあやりようはありますよ(笑)。職場ではみんなうまくやっていたのではないかなぁ、社内結婚も多かったですし。お互いの残業っぷりや事情を理解しているから、うまくいくのかもしれない。逆に、事情を分かっているから離婚した件もありましたけれどね。

おかざき真里さん(以下、おかざき):あくまでも一般論として(笑)、一人の人に決めなくてもいいんじゃないかなぁ、って。一人の男の人に働いている女性のイライラを背負わせるのは無理だと思うんですよ。「俺を癒やして」なんて思っている男性にそんなの支え切れない。私なんかはもう、仕事でイライラしているし、漫画も描いているからたいていの男性より高収入だしで、そんな女は大変でしょう。だから私なりの「1日1王子」というのを決めていました。それぞれの現場や取引先で、「王子」となる人を決めておく。仕事の合間にその人たちを一人でも見られればラッキーで、ひそかにときめくという方法です。あのカッコいい照明さんを今日は3回も見られたから大吉! とか。おみくじを引くみたいで楽しいですよ。