「ありがたみ」のラインを下げてみよう

「何があろうとも女はエラい! って、面と向かって言ったことがあります」(中川さん)
「何があろうとも女はエラい! って、面と向かって言ったことがあります」(中川さん)

おかざき:ありがたみのラインを下げるといいですよね。幸せになれる。アホにもなれるけど。本当に、しんどいときにそのしんどさを考えても良い答えは出ないから。

中川:僕は肉の脂身が苦手なので、チャーシューは赤身の多い角が好きなんです。だからラーメンにチャーシューの角が入っていると、それだけでうれしい。

おかざき:そうですよ。選択肢がないというのは余裕がないということだから、そういうときは何食ってんだか分からないですもんね。せっかくのチャーシューにも気付かなくなる前にどうにかしないと。逃げるって、体力が要るじゃないですか。過労の話に、「そんなに大変なら部署を変えればいい」と言うのは正論なんですよ。でも人間関係を変えるわけだから、やるなら体力があるうちにしないといけないし。私、事実かどうかは分からないですけれど「人間は脳の10%しか使っていない」という話を聞いて、それなら脳の10%だけフルに働かせておいて、残り90%は体力温存に使っておこう、それが人間だ、と心掛けていました。

*次回、最終回に続きます。

第一回 過酷な現場での働き方
第二回 忙しい女の恋愛は○○が鍵(この記事)
第三回 仕事で罵倒されたことありますか?自己肯定感保つ方法
<プロフィール>
おかざき真里
漫画家。広告代理店勤務中に「ぶ~け」(集英社)でデビュー。その後の作品である「サプリ」(祥伝社)では、代理店時代の経験を生かし、恋愛や仕事のはざまで心が揺れ動く女性の心情を緻密に描写。こまやかに計算された構図や、幻想的な雰囲気のあるストーリーに加え、彼女独特の名言に魅了される読者は多い。現在、彼女の新境地ともいえる仏教マンガ「阿・吽」(小学館)、グルメマンガ「かしましめし」(祥伝社)を連載中。

中川淳一郎
WEB編集者。1973年東京都生まれ。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライター、「テレビブロス」編集者などを経て現在に至る。著書に「ウェブはバカと暇人のもの」(光文社)、「電通と博報堂は何をしているのか」(星海社)など多数。

聞き手、文/河崎環 写真/稲垣純也