会社には何年居続けるべき?

 そもそも、若者は忙しくなきゃダメだ。

 大企業には定時になるとぴしっと帰宅する人がいる。仕事がヒマなんだよね。そういう人は勤務中、絶対ネットばかり見ていると思う。大手の出版社とかテレビ局とか広告会社とかでは、「得意先にこれ届けて」と頼まれて、その日の仕事の「ハイライト」がやってくるなんていう若い人がたまにいる。実にもったいない。

 勝手に仕事をつくれるタイプの人なら、ヒマを持てあますこともないんだろうけど、会社にいるとなかなか自由に仕事ができない。「そこはあなたの管轄じゃない」とか言われて若い人は萎縮してしまったりする。でも、フリーにはそれがない。

 オレ自身もそうだったけど、4年ぐらい会社勤めを経験してからフリーになるのがいいんじゃないかと思う。社会人としての常識が学べるし、会社の仕組みが分かる。また、フリーになった時に役立つ社内や社外のコネクションができるからね。無駄かと思うかもしれないけど、案外その方がラクなフリーランス30代前半時代を過ごせる。

 最初からフリーだと、カネをくれる相手である企業社会という伏魔殿における立ち居振る舞いがあまり分からなかったりもして、非常識なことを時にやってしまう。付き合いのあったあるフリーライターは、8ページの特集を担当していたのに突然いなくなってしまった。困って、その人の妻に連絡したら「いないんです」と言う。結局、居場所がわかったのが2カ月後。すべてを放り出して海を見てたとか言うんだよね。生きてて良かったと思ったけど、もうそいつには仕事は頼まない。