ライターに向いている人とは

 ライターになるのに経験は関係ないけど、向いている人はいる。目立ちたがり屋だ。野心があって、一発当ててやろうと思っている人は向いていると思う。

 オレは宣伝会議の編集・ライター養成講座の講師をしているんだけど、元受講生の一人と今、一緒に仕事をしている。彼女は、野心があって、名のある書き手になりたいという明確な目標があったの。本を出すことが決まっていて、そこに向けて突き進んでいる。オレは少しでもその手助けになればいいな、と思っている。

 ベンツに乗りたいとか、有名になって会社の上司を見返してやりたいみたいな下世話な目標は、持っていると仕事をするモチベーションにつながる。ベンツに乗りたいなら稼がなきゃいけない。するとそれに向けて仕事を頑張るでしょ。

 こうした編集やライターの養成講座では、企画の作り方や取材アポの取り方などを、別の講師は教えている。オレはウェブメディアと紙メディアの違いについて語っているんだ。学ぶことがすごく大事かどうかは別として、受講して、フリーになりたい者同士のネットワークを作るのもいいのではないかと思う。あるいは、今自分のいる会社の中で、辞めたい人同士ネットワークを作る、というのもいい。そうすると、先に辞めた人がえらいという妙な空気ができて、誰かが辞めるとなんだか置いていかれた気持ちになる。それで、辞めた人がどんどん成長しているように見える。フリー同士のネットワークでも、誰かが仕事をもらったとか、本を出したとか言うと、みんなすごく焦る。フリーになるのを、後押ししてくれると思うんだ。