人生は選択の連続です。どんな行動を選択するかによって、その後の人生が大きく変わることも。私たちがつい引かれてしまう「3つの選択」について、お金のプロであるセゾン投信社長の中野晴啓さんにインタビューを敢行! 初回は「専業主婦」という選択についてお聞きしました。聞き手は、働く女性のマネー事情に詳しいFPの高山一恵さんです。

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専業主婦は世界の非常識!? 「2人で稼ぐ」が世界の常識

高山さん(以下、敬称略):今回からアラサーの働く女性がふと手を出してしまいがちな3つの選択について、中野社長にお聞きしていきたいと思います。第1回のテーマは、ズバリ「専業主婦」についてです。女性の社会進出が盛んになってきたとはいえ、依然として専業主婦願望を持っている女性は少なくないように感じます。

中野さん(以下、敬称略):本当ですか? 専業主婦願望は、もう死語かと思っていましたが。

 高度経済成長時代は、給料も人口も右肩上がりで増えていたので、夫は働いて稼ぎ、女性は子どもを産み、育て、家事をする分業制が社会構造的に成り立っていました。だから昔は、専業主婦という立場は、正当化されていたわけです。

高山:そうですね。今は昔と状況が全く違いますよね。

中野:少子高齢化が加速して、人口も減少していく世の中では、女性が労働に参加することは、経済発展のためにも非常に大切なことです。よく「第3号被保険者制度」や「103万円の壁」などの話題が取り上げられますが、どちらも女性活躍が叫ばれる中では、正直、時代遅れだと言わざるを得ません。

女性がなかなか「活躍」できないのはなぜ? (C) PIXTA
女性がなかなか「活躍」できないのはなぜ? (C) PIXTA

高山:確かにこういった制度があることで、女性が守られている一方で、女性の社会進出を心理的に阻んでいる側面がありますよね。

中野:そうですよ。これらの制度を理由に、働かない選択をする女性もいるのではないでしょうか。その結果、「国にも夫にも依存するのが当たり前」と「依存肯定」な女性が生まれてしまう。これは、国にも大きな責任があると思います。女性活躍推進と言っておきながら、女性が自立しないような制度を放置している。世界の常識は「2人で稼ぐ」ですからね。このような制度を撤廃しない限り、日本はどんどん世界から後れを取っていきますよ。