なぜ、働くのか。自分の仕事観を確立しよう

高山:制度が確立されていないこともそうですが、そもそも仕事に対してポジティブなイメージを描けていない女性も多い気がします。

中野:そこも問題ですよね。そもそも人は、なぜ働くのか。仕事をすることで自分がいったい何者であるか、生きる上での自己表現をしているのではないでしょうか。そして同時に仕事は、自己実現の手段でもあります。仕事を通じて成長できるし、社会にも貢献できる。本来仕事とは、ただ単に稼ぐ手段ではなく、もっと尊いものです。

高山:仕事で自己成長できるというのは、本当にそうですね。仕事をしていれば、つらいこともたくさんありますが、そのつらさを乗り越えたとき、一つ成長できた自分がいます。

中野:仕事は自己鍛錬の場ともいえますね。メディアやSNSではブラック企業などのネガティブな情報が伝わりがちですが、ある程度、仕事の経験を積んできたアラサーの皆さんなら、仕事の醍醐味が分かっている人も多いのではないでしょうか。

高山:仕事の醍醐味を知ったら、仕事は辞められなくなりますよね。私自身、後輩の女性たちに「仕事をするってすてき! 」と思ってもらえるよう、良いお手本にならなくてはと思います。

中野:仕事に対して、プラスの仕事観を持つ女性が増えるといいですね。人間は社会によって生かされているので、社会に貢献することが使命だと思います。誤解しないでいただきたいのですが、僕が「ダメ」と言っているのは、病気などやむを得ない事情がないのに、夫に働いてもらって自分はラクして暮らしたいという依存的な人たちのことです。また地域活動やボランティアなど、社会に貢献できる活動に取り組んでいる専業主婦については、もちろん全く否定はしません。