どんなに忙しくても、朝は自分だけの時間
――朝活という点もよかったのでしょうか。
道端:子どもが小さいときって、かかりきりになりますよね。時間だけでなく精神的にも追い込まれがちです。でも朝ランニングに出掛けている間は自分の時間だったので、とてもリフレッシュになりました。
私はお仕事を始めた時から「編集部に6時集合でメイクして、人の少ないうちにロケ」という朝型の生活リズムでした。特に10代のうちは子どもで顔がむくみやすいので、夜も早く寝るようにしていました。だから出産後も、子どもに合わせて早起きするのは全然苦ではなかったですね。「夜、子どもを寝かし付けて、そこから先が大人の時間」という方も多いと思うんですけど、私は逆で、夜8時9時に子どもと一緒に寝て、朝1時間早く起きて自分の時間をつくっていました。
30歳でモデルの他にタレントのお仕事も始めて、幅を広げようと読書したり栄養の資格を取ったりしていくのですが、それも子どもより早く起きて時間をつくって取り組みました。資格によっては短期間で集中して勉強すれば結果が出るので、楽しみながら学ぶことができました。
マラソンを始めたら勉強に充てていた時間をランニングに変えて、トライアスロンを始めたらトライアスロン・スクールの朝スイムに変えて。内容は違いますが、リズムはずっと同じです。そして、昔は私一人だったのが、今はトライアスリートという仲間と一緒です。子どもたちが中学2年と小学5年と大きくなるにつれて私自身の時間が増えていき、たくさん練習できるようになりました。
読者の皆さんも、お子さんが小さかったり、忙しく働かれたりする方が多いと思います。そんな中だからこそ自分の時間をつくっていくのは大事ですよね。お仕事を楽しみながら、趣味でリフレッシュしたり、さらに目標を持って頑張ったり、と違う世界を持つのは、相乗効果でいろんなことがよりよくなるのかなと思います。
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スイム・バイク・ランの3種目を連続するトライアスロン競技は、距離で大別して、ショートとも呼ばれる合計51.5kmの「オリンピック・ディスタンス」(スイム1.5km+バイク40km+ラン10km)と、ロングと呼ばれる長距離大会とがある。ロングの代表は合計226kmの「アイアンマン」(スイム3.86km+バイク180.2km+ラン42.2km ※大会により異なり、ここではアイアンマン世界選手権コナ大会の表記による)。
ショートはさらに2種類に分かれ、オリンピック種目はバイクの集団走が許可された「ドラフティングレース」で、もっぱら技能の高いエリート選手のみによって競技される。市民レースはバイク単独走が義務付けられた「ノン・ドラフティングレース」だ。なお、ロングではプロ選手含めて全てバイクは単独走となる。
それぞれに日本トライアスロン連合(JTU)による国内年間ランキングがある。オリンピック出場を目指すエリート選手を対象とする「NTTジャパンランキング」、市民トライアスリートを対象とする年代別「JTUエイジランキング」だ。ジャパンランキングは世界の主要大会での累積ポイントで決まり、その結果は2020東京五輪代表争いに直結する。
エイジランキングは2018年時点では国内25の指定大会のうち最大4大会までの累積ポイントにより決まる。その特典は豪華で、現在、NTT東日本・西日本をスポンサーに世界選手権への公費派遣が5歳刻みの年代別男女1名に提供されている。
道端さんが主に出場するのはオリンピック・ディスタンスのノン・ドラフティングレースだ。JTUエイジランキング女子35-39歳カテゴリ(*)で、2016年度3位、2017年度2位。大会での女子総合優勝は、館山わかしおトライアスロン2017、 川崎港トライアスロンin東扇島2017、 長崎西海トライアスロン2016、 中土佐タッチエコトライアスロン2016など。女子総合2位に石垣島トライアスロン2017、 総合3位に今治伯方島トライアスロン2017など。大規模大会で総合表彰台に何度も上がる有力選手だ。
*参考サイト
JTUランキング2017年度
JTUランキング2016年度
文/八田益之 写真/稲垣純也
◆変更履歴:「トライアスロン競技と道端カレンさんの成績について」の本文を一部修正しました。(2018年8月10日)