ときには「立ち止まって、俯瞰して、未来を見る」

――「働き女子」を取り巻く環境はどんどん変化しているように感じます。

 社会が女性に求める期待や役割は変わってきています。現在はまだ過渡期だと思いますが、生徒たちを見ていると、いい意味でアグレッシブで野心的に育ってくれています。今の10代が社会に出る頃には、可処分所得の高い女性が増え、女性向けの商品やサービスの需要はさらに高まると考えられます。女性の起業家も今まで以上にたくさん誕生するはずです。女性が多様な働き方をする時代を迎えつつあります。

 企業でも、これまでは上層部は男性ばかりで「ボーイズ・クラブ」と揶揄されていましたが、これからは管理職になる女性もどんどん増え、いずれは「ガールズ・クラブ」もできるのではないでしょうか。「次世代の働き女子を支えてあげたい」というコミュニティーが徐々に充実していくでしょう。

――とても勇気づけられるお話ですね。今や「人生100年時代」といわれていますが、働き女子が心掛けておきたいことはありますか?

 定年になる少し手前の動きやすい時期に、次のキャリアにシフトして、70歳ごろまで自分の好きな仕事を続ける、といった選択をする女性も既に出てきています。前半、中盤、後半と3本立てぐらいでキャリアを考える時代を迎えています。

 キャリアは一本道ではありません。目の前のことに集中しつつも、時々立ち止まって、自分を俯瞰して、未来を見て準備をする。自分の人生の主導権を自分で握るためには、それが一番大切だと思いますね。

「自分の人生の主導権を自分で握れるよう、準備を重ねてほしいですね」
「自分の人生の主導権を自分で握れるよう、準備を重ねてほしいですね」

取材・文/小林浩子 撮影/稲垣純也


「働き女子が輝くために28歳までに身につけたいこと」

著:漆 紫穂子
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