決算が読めるとできるようになることは、コレ!

できるようになることは、大きくわけて6つあります (C) PIXTA
できるようになることは、大きくわけて6つあります (C) PIXTA

1.会社の成長率が分かり、転職の参考になる

 あなたが今、転職を考えているとするなら、転職を希望する会社の売上や営業利益をチェックしてみましょう。前年の数字と比べたり、競合他社の数字と比較したりすることで、その会社の成長率が見えてきます。対前年の成長率が二桁以上になっている会社と、業績は安定しているけれど一桁成長の会社とでは、社内の雰囲気や労働環境も大きく異なります。決算からそれらを読み取れるようになれば、入社後のミスマッチをできる限り少なくすることができるでしょう。

2.自分の会社だけでなく、家族や恋人の会社の経営状態もチェックできる

 家族や恋人が勤めている会社の経営状態が気になるなら、具体的な数字を見て、自分なりに読み解いてみましょう。もし、会社が毎年ある程度の利益を出し続けていたら、今すぐに倒産する可能性は低いと考えられます。心配だけど直接は聞きづらい場合など、こっそりと決算を読んでみるという手もありますよ。

3.クライアントの伸び悩んでいる分野などが分かり、具体的な提案ができるようになる

 あなたが営業や企画職など、クライアントに何かしらの提案をする仕事に就いているなら、提案先の決算を読み込み、好調な事業とそうでない事業の違いを分析してみましょう。また同業他社の決算とも比較をして、「○○社に比べてこの数字が芳しくないようですので、こういう戦略で数値を改善しましょう」と具体的な提案をすれば、プレゼンやコンペでの説得力が増すはずです。

4.あなたが若手社員でも、「数字」と共に提案すれば、聞き入れてもらいやすくなる

 上で紹介したやり方は、勤め先の上司や経営層に企画を提案するときにも使えます。若手のうちは、社内で自分の提案が通りづらいと感じることがあると思います。そんなときは、提案の根拠となる数字を、決算から拾ってみましょう。キャリアや実績の浅い社員でも、数字と一緒に提案をすれば、上司に受け入れてもらえる可能性がアップするはずです。感覚ではなく、数字で攻める。私がnoteで連載している「決算が読めるようになるノート」や、書籍を購入してくれた読者の中には、このために決算を読んでいる方もいらっしゃいます。

5.各社の経営状態や業界の動向など、大きな視点でビジネスを見ることができる

 日ごろから取引先や同業他社の決算を読んでいれば、各社の経営状態や業界の動向にも敏感になります。すると、これまでとは違った大きな視点で物事を捉えることができ、他部署の人ともコミュニケーションが取りやすくなるはずです。自分の業務以外のことにも理解があり、プラスアルファの提案や行動ができると評価されれば、将来的にはキャリアアップにもつながっていくと思います。

6.異業種の人とも話題ができて、盛り上がる

 仕事やプライベートでは、異業種の方と交流する機会があると思います。そんなとき、日ごろからさまざまな業界の決算を読んでいると、話題に困ることが少なくなるでしょう。「御社の成長率はすごいですね」「今はこの事業に力を入れていますよね」などと話をすれば、相手に自分を印象づけることもできると思います。異業種交流会で役立つテクニックになるかもしれません。