ジャニーズ事務所が叩かれるようになった理由とは

 SMAPの解散を巡って、グループの所属事務所のジャニーズ事務所が叩かれた。

 ネットでは、それまで怖い存在だと思われていた事務所をジャニーズファンが叩きまくっていた。だけど、ファンが色々言いまくっても、事務所から誰も恐喝を受けたわけじゃない。

 案外タブーというのがそんなにないんじゃないかと、怖がられていた人が案外普通の人間だったという話だったんだと思う。

 一方で、広告作りにおいては、逆に“タブー”により気を付けなければいけない時代になっている。

 秋には、資生堂「インテグレート」のCMが、25歳という女性の年齢をネタにした内容でセクハラ批判を受け放送中止となった。

 今の時代、女性の加齢や容姿は広告ではあまり扱ってはいけない話題だ。

 健康食品のCMで69歳のダンサーが若々しいというような前向きの文脈だったらいいだろうけど、「インテグレート」の内容はその逆だった。25歳を過ぎるともう若くない、という発想がベースにあって、27歳ぐらいの女性はムカついたと思う。

 今の時代は広告の作り手は、取扱うとまずいネタというのは分かってしかるべきで、問題をことさら大きくする風潮を責めるんじゃなくて、それに合わせなきゃいけない。本当は責めたいけど、「そうなってしまったこと」を変えるためのコストをかけ、さらなるクレーム攻勢に晒される覚悟があるかということだ。

 今年前半には「保育園落ちた日本死ね」というブログの書き込みが話題となって、地方からは関係ないという声も出たけど、東京や神奈川のお母さんたちにとっては切実な問題で、だからあそこまで賛同を得た。