わき毛からトランプ、移民問題まで斬る

 手を挙げた瞬間にわき毛がぼっと出ていて、世界中の人がびっくりしているわけでしょ。「なんでこいつはわき毛を剃らないのだ!」「Why, ジャパニーズアスリートは!」みたいな感じになった。

 いつから体操選手がみなわき毛を処理するようになったかと言うと、1992年のバルセロナ大会からだと思う。

 84年のロサンゼルス大会を特集した雑誌『アサヒグラフ』を見ると、多くの選手がわき毛を生やしていた。しかも、ヨーロッパの選手の場合、女性でも生やしていた。東西の冷戦が終わって初の五輪がバルセロナ大会というわけで、今やツルツルにするのが当たり前になっている。

 でも、その中で内村はわき毛があんななのに、個人でも金メダルを取った。

 オレはあれで、体操という競技の審判が極めて正確に採点をすることを見た気がする。

 主観的な美醜という評価が絡んでくるいくつかの競技とは違う。審判が、あくまでも技の正確性や難易度とか着地の安定などを、極限まで客観的に評価する体操界はえらいと思います。

 来年につながる話では、トランプ次期米大統領をはじめ世界各地で右寄りの人たちが政権を取るという流れが起きて、移民排斥という動きがクローズアップされていることを取り上げたい。

 オレはこのことをすごくまじめに考えている。それで日本で、移民が来ることに賛成する人はどんな人なんだろうと突き詰めたら、大学受験競争に当てはめると、東京大学(東大)に行ける人なんだよね。