理由は、「東大に行く人は競争の強者だから」

 東大の人たちはどんなに人口が増えて競争が激しくなろうが、自分にはトップクラスの頭脳があるから東大に行ける。トップオブトップは、倍率がどれだけ高くなろうが関係ないんですよ。「上位1000人に入ればいいんでしょ?」なんて考える。

 でも、早稲田や慶應義塾大学に入れるぐらいの人は、受験する人が増えるとMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政大学)に行くことになったりする。

 移民がいくら来ようと、東大に行く人は競争の強者だから、反対しない。強い人は、自分よりも弱い人がいくら入ってこようがびくともしない。ビビってしまうのは、もう少し上を目指したい人々や、弱者だろう。

 それより、おかしいと思うのは、移民がみんな欧米の先進国を目指してしまうこと。なんで、例えば開発途上国のミャンマーに行かないのかと思う。

 先進国に行けば、移民は勝手に自国に入ってくる邪魔な人と思われる。だから、なんでオレたちが頑張ってつくった国にお前たちが来るんだという反発が起きる。

 貧乏な国の人が金持ちの国に行ってその富を分配してほしいというのが今の世界の現状で、移民は、自国より開発が遅れている国に行って自分が有利になるという選択肢はあまり選ばない。

 実はオレのいとこはミャンマーに移住しようとしている。

 自分でも言っているんだけど彼は日本では「負け組」。47歳で総合格闘技をやっていて、柔道もそこそこ強いんだけど、日本ではレベルが高すぎるから通用しない。

 だから彼は、ミャンマーにいずれ移住して、現地で柔道や格闘技を教えたいと考えている。「オレは敬われるチャーンス!」じゃないかと思っているんだ。より豊かな国から来た人が移住した国の人を育てる。こうした移住のあり方があってもいいのではないかと思う。