スマートフォンの登場でさらにネット環境が身近なものとなったことで、私たちが日常「つい、うっかり」やってしまいがちなことは、果たして法律上はどうなのかを聞きました。

 いまや、インターネットは私たちの生活に欠かせない存在となりました。その反面、ネットトラブルのニュースを耳にする機会も増えています。スマートフォンの登場でさらにネット環境が身近なものとなったことで、私たちが日常「つい、うっかり」やってしまいがちな身近な事例を挙げ、果たして法律上はどうなのかを骨董通り法律事務所の小林利明弁護士に詳しくお話を伺いました。

レストランへの不満 匿名で掲示板に書き込んでしまった

 話題の人気レストランを予約し、期待して行ったところ、入り口で待たされた上に、料理もおいしくない。腹が立ったので、匿名の掲示板にスマホからその場で怒りのままに店やシェフへの不満を書き込んでしまった。これは店側から訴えられてしまうの?

名誉毀損となることも

 「書き込みの内容が公共の利害に関する事実であり、公益を図る目的がある場合は、それが『真実(実際にされたこと、起きたこと)』なら名誉毀損とはなりません。また、『意見(私はこう思う、こう感じた)』の書き込みについても同様で、意見の前提が真実ならば、通常、名誉毀損にはなりません。   

 しかし、根拠のない推測や憶測、実際には起きていないことなど嘘を書いた場合は名誉毀損となり、損害賠償請求の対象になるほか、刑事罰に問われる可能性があります。書き込みの内容次第では、信用毀損罪業務妨害罪にも問われるでしょう。また、相手の人格非難などもはや意見とは言えない場合も、名誉毀損として損害賠償請求の対象になります。書き込む対象をたとえ伏せ字にしても、第三者から見て特定できてしまう場合も名誉毀損などになると言えるでしょう。

情報発信をする際は十分な配慮を (C) PIXTA

 また、ペンネームや匿名であっても違法・悪質な書き込みと判断される場合には、発信者情報の開示を早期に請求すれば、個人の特定は可能な場合が多いでしょう。行き過ぎた行為は加害者になる可能性もあるのです」(小林さん)

<ポイント>
・匿名でも、書き込む際は慎重に。事実に基づいた感想や意見を、相手に配慮して書くことは基本中の基本です。