調理器具の除菌

包丁やフライパンの持ち手が危険!

 たとえ新鮮であっても、生の肉や魚を切った包丁やまな板には、さまざまな菌が付着します。調理が終わったら、必ず洗剤を付けて十分に洗いましょう。

 「まな板を洗った後は塩素系の漂白剤を使って殺菌を。漂白剤以外にも熱湯の回しかけや、菜箸やふきんの煮沸も効果的です」(東京都健康安全研究センター・小澤悠作さん)

 「見落としがちなのは、包丁やフライパンの持ち手。調理後に柄や持ち手まで洗っていますか? ライオンの調査では調理後の『包丁やフライパンの持ち手』『ボウルのフチ』から大腸菌群が検出されました。食材に触れた手で触る冷蔵庫のドアの取っ手も汚れていますので、除菌スプレーなどで掃除を。『取っ手はとっても危険』と覚えてくださいね」(ライオン 快適生活研究所・杉本美穂さん)

お酢も除菌に使える

 「また、お酢も除菌効果が期待できます。まな板を洗うときは、このような手順を試してみてください」(ミツカン広報部・高市敦子さん)

<お酢を使ったまな板除菌法>

(1)まな板を洗剤で十分に洗って、その後水洗いし、熱湯をかける。

(2)乾いたふきんをかけて、酢水(穀物酢 1/4カップ+塩大さじ 1/2+水 3/4カップ)をひたひたにかける。

(3)室温(20℃)で1時間以上置き、水洗いして使用する。

 「お酢は食酢であれば米酢でも黒酢でもかまいませんが、お酢の種類によって濃度が違いますので、穀物酢と同濃度のものを使うようにしましょう」(高市さん)

<調理器具の除菌 ポイント>

・まな板は洗った後に塩素系の漂白剤を使って殺菌

・薬剤を使うことに抵抗がある人は、お酢も効果的

・包丁やフライパンの持ち手も忘れずに洗おう

・冷蔵庫の取っ手の掃除も忘れずに

スポンジの菌の数はトイレブラシ並み

 洗剤を付けて洗っているから大丈夫と思いがちなスポンジは、菌の温床になりがちな場所。1日の終わりにはきれいに洗い、すすぎましょう。

 「実はスポンジに付いている一般生菌(※)の数は1億個以上(!)というデータが。これはトイレブラシと同じか、それ以上の数。またキッチン周りの除菌について当社が調べたところ、『スポンジを除菌していない人』は29%、『ふきん』は26%、『まな板』は15%という結果に。けれど、スポンジ除菌のできる台所用洗剤で食器を洗うと同時にスポンジ除菌ができるわけではありませんので、以下の除菌方法に従ってください」(杉本さん)

 ※一般生菌=食品衛生上で汚染の度合いを示す指標となる菌

<スポンジの除菌方法>

(1)使用後のスポンジの汚れを落とし、水でよくすすぎ、固く絞って水を切る。
画像提供:ライオン
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(2)スポンジ除菌効果のある台所用洗剤の原液8ml(大さじ半分強)をスポンジに付け、泡立つまでもみ込み、洗剤を全体に行き渡らせる。
画像提供:ライオン
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(3)水ですすがずに、次に使うまでそのまま置いておく。

 スポンジ除菌のできる洗剤がない場合は、お酢を使ってもよいでしょう。

 「お酢はまな板だけでなく、スポンジの洗浄にも使えます。台所にあるお酢を使ってできますので、試してみてくださいね」(高市さん)

<お酢を使ったスポンジの洗浄方法>

(1)スポンジを洗剤で十分に洗って、その後水洗いする。

(2)45℃以上の酢水(穀物酢大さじ 2+塩大さじ 1+お湯 1カップ)をボウルに入れ、水気を切ったスポンジを浸します。

(3)スポンジを酢水の中で軽くもんで、15分以上置いた後、絞って使用する。