理想は「よい物を長く使う」、でも予算がネック

 家具に対する所有欲が低くても、関心やこだわりがないということではありません。むしろ家具へのこだわりが高いことも分かりました。

 ここからは家具のレンタルサービスを利用したいと答えた人の中から、1000人を対象に調査を行いました。

 所有している「最も高い家具」について質問したところ、購入金額の平均は20代で8万5383円、30代では10万8518円。60年代では20代の約3倍の26万4545円と、年代を追うごとに家具にお金をかけていることが分かります。家具は決して安くはない買い物といえますが、それでも4人に3人(75.5%)が「家具は多少高くてもよい物を長く使いたい」と答えています。

家具は多少高くてもよいものを長く使いたい
家具は多少高くてもよいものを長く使いたい
よいものを長く使いたい人が「あてはまる」「ややあてはまる」合計で約76%に

約6割は予算オーバーしたら「諦める」

 しかし実際には「初期費用の高さで躊躇(ちゅうちょ)」する人が8割以上(84.0%)。予算がオーバーした場合は「予算内で他の商品を購入する」人が約6割(59.3%)に上っています。よい物を長く使おうという意識があっても、欲しい物が高価で、理想の家具を買うことを諦めるケースが少なくないようです。

家具購入時、予算オーバーのときの対処
家具購入時、予算オーバーのときの対処
予算をオーバーしても気に入った家具を買う人は約3割

約半数はこだわって選んでもしっくりこなかった経験がある

 また「家具選びにこだわりたい」と答えた人が約7割(66.1%)に上る一方で、実際に家に置いてみると約半数が「しっくりこなかった」(48.8%)と感じたり、「飽きてしまった」(44.6%)など不満を感じたりする経験があるようです。家具は実際に使ってみないと使い勝手は分からないもの。こだわりを持って選んでも、長年使いたくなる家具に巡り合えるとは限らないようです。

家の家具にはこだわりたい
家の家具にはこだわりたい
家具にこだわりたい人は「あてはまる」「ややあてはまる」合わせて約66%
家に置いたらしっくりこなかった
家に置いたらしっくりこなかった
実際に置いてみたら不満を感じた人が約半数もいる

 「飽きてしまった」と答えた理由については、「年齢とともに違うテイストが気になってくるから」(30代女性)、「子どもの誕生や成長に伴い、生活スタイルが変わったため実生活にマッチしなくなったから」(50代男性)といった意見がありました。「一生もの」と吟味した家具であっても、ライフスタイルの変化で合わなくなる可能性は否めません。